NO.86 「蛇島(じゃじま)」と「烏島(からすじま)」(佐波賀)【舞鶴の名所旧跡】
投稿日時:2022年02月14日(月)
舞鶴市・大浦半島の西側を湾沿いに走り佐波賀へ。入り江にカキの筏。沖には美しい2つの島が浮かんでいる。その島の名は「蛇島」と「烏島」である。横に長い大きな蛇島は、16世紀、若狭の高浜城主でもあった逸見駿河守(へんみするがのかみ)が、この島に城を築き、逸見島(へんみじま)が“へびじま”、蛇島に転じたと。また大昔、佐波賀の中間地点「子ナギ」の谷に住んでいた村人が、島の大蛇に苦しめられ、そこで村を上と下の2つに分けた話や、この大蛇は雲門寺の開山普明国師が退治し、蛇は雄島へ逃げたという伝説が。さらに戦後の特記として、あの名高い「佐波賀大根」の種をこの島に播いて種採りをしたという“由緒ある島”なのである。さて、その隣の丸い小さな島は烏島。佐波賀村誌によると、島は「南方海上直径九町三拾貮間ヲ距離ス山林ニシテ嶺ニ小祠巖嶋神社有リ」と記されている。祭神は市杵嶌姫命(イチキシマヒメノミコト)で海の守護神。毎年7月、2回目の「己」のつく日が祭日。上と下佐波賀の村人が1つになって3隻の舟に分乗し、島に渡る。そして島の鳥居をくぐり、山頂の神社へ参拝。海の安全を祈願するのである。現在、上佐波賀と下佐波賀の世帯数は、共に24戸づつ。トンネルもそれぞれ地区名をつけて新しく誕生。蛇島と烏島の仲を取り持つ遊覧船。「2つ」が「1つ」になる美しさ。村も1つになって2つの島を見守っている。島は「大」と「小」の調和で美しい!
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