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「マダイ」- ダイバー見ても逃げない稚魚【舞鶴・若狭水中散歩】

「マダイ」- ダイバー見ても逃げない稚魚【舞鶴・若狭水中散歩】

投稿日時:2022年02月10日(木)

今年の夏は、どこで潜ってもマダイの稚魚を目にする。水産実験所の前の海には6月下旬に2センチほどの稚魚が現れ、7月下旬現在、大きいものでは5センチを越えている。マダイの稚魚は物怖じしない性格のようで、ダイバーを見てもあまり逃げない。餌の動物プランクトンや底棲生物には事欠かない真夏の舞鶴湾で、いつもたらふく食べているようだ。順調に育ってくれれば、3年後には鮮魚コーナーに地物のマダイがずらりと並んでくれることだろう。  今年の初夏には冠島周辺でマダイがよく釣れたようだ。初夏に釣られるマダイは産卵群と考えられるため、梅雨時には大量の卵が産み出されたことは想像に難くない。ただし、一般に卵が多いからといって、その年の稚魚が多いとは限らない。ふ化して間もない頃に、通常、大多数の魚は死んでしまうからだ。では今年のマダイは初期の生き残りも良かったのだろうか。  今年の海の様子でもう1つ興味深いことは、ミズクラゲが少ないことだ。これまでの研究で、マダイは生まれてから20日間くらいまでの間、ミズクラゲに簡単に食べられてしまうことがわかっている。そこで、沿岸にミズクラゲの少なかったことがマダイの大発生に一役買っているのかもしれない.冠島周辺で生まれたマダイが、いつもの年なら沿岸に来るまでにミズクラゲに食べられてしまうところ、今年はクラゲが少なかったために生き残りやすかった、との仮説だ。  さて、マダイ豊漁のこの初夏、我らが舞鶴グリーンテニスクラブの寺内師匠は95センチのマダイを釣り上げ、その後も大きなマダイを次々に仕留めている。おかげで筆者もマダイの刺身やかぶと煮をごちそうになる機会に恵まれた。個人的には、マダイの頬肉と、くちびるのゼラチン質のところが旨いと思います、と筆者が言うと、「女の子の唇と、どっちがええ?」「そりゃ、文句言わん分、鯛の方がええわな。かっかっか。」とギャグでも名人級の技を見せてくれる寺内師匠であった。

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