「ウマヅラハギ」- クラゲを餌に養殖も可能かも【舞鶴・若狭水中散歩】
投稿日時:2022年02月10日(木)
秋から冬にかけて、しばしばウマヅラハギの大群に出くわす。いけす料理店等で「カワハギ」として出てくる刺身は、たいがいこのウマヅラハギだ。ちなみにカワハギは、「本カワハギ」としてメニューに載る。 カワハギ類は、その名の通り皮をはいでさばく。他の魚のようにうろこが飛び散らないのはうれしい。刺身の肝和えは特にうまいと思う。ただし、肝には苦玉と呼ばれる青黒い胆のうがくっついていて、これは味をそこなうので注意して除かなければならない。肝はそのままではどぅるっとしていて、刺身としては食べにくいが、「ネギ焼き」で有名な西舞鶴の某居酒屋さんでは、肝をシャーベット状に凍らせたのをスライスして、刺身として出してくれた。これまたうまい。肝を食うにはしかし、うんと鮮度が良くなければだめだ。 以前にも書いたが、アジとカワハギの類はクラゲを好んで食べる。我が水産実験所の周りの海で見かけるウマヅラハギも、クラゲをむさぼり食い、着実に肥えてきているようだ。よいことだ。 そこでふと考えた。ミズクラゲを餌にして、魚を養殖できないだろうか。養殖業のコストの大半は餌代である。そして、これまで餌の原料とされてきたマイワシやカタクチイワシの漁獲量が減ってきた一方で、海の中にはクラゲがわんさといる。クラゲの体内には毒があるから、利用価値には乏しいが、DHAをはじめとする栄養は案外豊富に含まれているらしい。アジやカワハギの類であれば、クラゲを餌にしての養殖も可能かもしれない。 養殖ならば出荷の調整ができるから、付加価値としてもぐんと高まるようにも思う。活魚であれば肝も刺身でいけるからなお良い。ウマヅラハギの養殖でひと山当てて、「ウマヅラ長者」と呼ばれる方が舞鶴から出てくれればうれしいと思うのだが、いかがか。
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