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投稿日時:2021年03月09日(火)

タブレットを通じて接客が行われた
多くの客が来店しドーナツを買い求めた

 平の舞鶴引揚記念館にあるカフェ「羅針盤」で5日、同店をはじめ市内で複数の飲食店を運営するツクヨミラシン(駒井克洋代表取締役)と中舞鶴小6年の児童らが共同で開発したスイーツの販売会があった。
 リモートで同小と繋いだ販売会では、多くの来店者が新商品を買い求めた。

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 NTT西日本の協力を得て実施されたこの取り組みを市は、舞鶴市の認知度を高めるとともに児童の実践的な学習に繋げる「キャリア教育×地方創生」事業と位置づけ、昨年12月から継続して行ってきた。これまでの9回にわたる特別授業で、児童らは「舞鶴市の特産品となるスイーツ」の開発に取り組んだ。授業の内容は、リモートでの食品工場の見学や、タブレットを使用した企画書づくり、プレゼンテーションの練習など多岐にわたる。
 ICT(情報通信技術)を活用した地域創生を重点事業とするNTT西日本は、全国各地で同様の取り組みを実施してきたという。同社京都営業担当部長の青木栄広さんは「本来は1年間をかけて取り組む事業。コロナの影響で大幅に短縮したプログラムだったが、皆さんの頑張りで販売にこぎつけることが出来ました」と笑顔を見せ、「舞鶴市は様々な資源に恵まれた豊かな街。大きな可能性を秘めていると思います」と取り組みを通じて感じた印象を述べた。
 特別授業では、班分けされた児童らがそれぞれ思い思いの新商品を提案。最終的に、「舞鶴ドナツ」と名づけられた商品の採用が決定した。駒井社長は「略して「舞ド」となる語呂が良く、人気のスイーツであるドーナツはターゲットが大きい。また、旧海軍のレシピにもドーナツがあることから、舞鶴鎮守府の開庁120周年である今年にふさわしい」と採用理由について話した。
 製品化が実現した「舞鶴ドナツ」。この日は3種類(プレーン・抹茶・チョコ)が披露された。タブレット通じて接客を担当した同小児童らは、「おすすめは」などの客の質問に対し、「チョコ味は、いちごの粒が入っていて美味しいです」などとリモートを感じさせないスムーズなやり取りを展開していた。
 妹が取り組みに参加しているという古田里奈さん(28)は、娘の菜々さん(2)を連れて来店。「すごく美味しそうなドーナツで食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。
 同小6年の島本青波さん(12)は「とても緊張しました」とリモートでの接客を振り返り、「日本中に知れ渡るような有名な商品になってほしい」と期待を寄せた。
 授業を通じてふるさとへの理解を深めた児童たち。商品完成の達成感と共に、それぞれの心に郷土を愛する気持ちが深く刻まれたことが、その笑顔ににじみ出ていた。

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