地域力が地図に結実~南福祉協議会「地域安全ウォークマップ」を作製
投稿日時:2021年03月23日(火)
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を前に、健康寿命に対する意識や関心は年々高まりを見せている。一方、少子高齢化や地域社会でのつながりの希薄化により、自助・共助の機能低下が懸念される。そんな課題に向き合うべく南福祉協議会がこのほど、地域力を集結させた「地域安全ウォークマップ」を作製。今後の活用に期待が高まっている。
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自治連・民児協・実業会・女性の会など28団体からなる南福祉協議会(村尾幸作会長)。「交流と連携のもと人にやさしく、安心して暮らせる地域」を目指し、地域振興と福祉の増進に取り組んでいる。
同協議会はこれまでにも積極的に健康講座やウォーキング教室等を実施してきた。しかし、受講者に特化した講座だけでは限界がある。「もっと広がりのある健康づくりを」と目指す中で企画した今回のマップ作製。小学校の通学や高齢者の散歩などへの活用を目的としており、費用は市の「元気なまちづくり事業費補助金」の交付を受けた。
昨年11月に取り組み始めたワーキングでは、地元交番や民児協、地域住民らに協力を得ながら、実際に歩いて危険個所などを確認。ウォーキング中の住民らに声をかけ、気になる個所はないかと聞き込みも行った。日々歩いている人だからこそ知りえる貴重な意見や様々な地域の声を地図に反映させていった。
交差点など特に注意が必要な場所は、写真を挿入することで分かりやすく注意を促す内容に。また実際の正式名称ではなく、地域の人になじみ深い通称での表記にもこだわった。
「見落としがないか何度も何度も歩き回りました」と笑顔を見せ「できれば午後3時から4時頃に歩いてくださいと呼びかけています」こう話すのは同協議会の活動拠点でもある南公民館の前羽仙圭館長だ。
登下校時における子どもの被害に関しては、登校時より薄暗くなってくる下校時に集中している。その時間帯にウォーキングを促すことで、犯罪から子どもたちを守る「地域の目」を増やすことも狙いのひとつ。地域ぐるみのこうした動きが犯罪抑止力になればと期待を寄せる。
16日には同館で完成報告会があり、集まった関係者らは「地域の宝を見つめ直してもらい高齢者の健康づくりに役立ててもらおう」と気持ちを新たに完成を喜んだ。
毎日1万歩のウォーキングを実践しているという藤本三代治さんはマップを手に「天候などによって滑りやすくなる危険な個所もわかりやすい。写真もたくさん入ってきれいに仕上がっっている」と満足感を漂わせた。
完成したマップはB3判の両面カラー2000部で、それぞれ倉梯小校区と倉梯第二小校区のマップが印刷されている。近隣幼稚園や学校、民生児童員を通して高齢者や関係団体などへ配布される。
子ども目線、保護者目線、高齢者目線、その地に暮らす人々目線でできた地域のマップ。健康づくりで踏み出す一人の一歩が、地域を守る大きな一歩になることだろう。
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