会心の作文 地域の誇りに~加佐中・江口さん 全国保護司連盟理事長賞受賞
投稿日時:2021年03月02日(火)
法務省が主唱する啓発活動の一環で実施された「社会を明るくする運動作文コンテスト」で、加佐中3年の江口魁音さんの作品「本当の鬼退治をするために」が、全国保護司連盟理事長賞に選ばれた。これまでにない快挙の報に、同校や地元の加佐地区は喜びに沸き立っている。
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「社会を明るくする運動」は、犯罪や非行の防止、また犯罪や非行をした人たちの更生についての理解を深めることを通じて、安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動。1951年に始まり、今回で70回目の節目を迎えた。作文コンテストはこの運動の一環として行われ、今回で28回目となる。コンテスト開催の目的は、次代を担う児童生徒に、日常の家庭生活や学校生活等の中で体験したことを基に、犯罪や非行について考えたことや感じたことをいきいきと作文にすることを通して、運動に対する理解を深めてもらうこととしている。
今年はコロナ禍の影響で対応が困難な学校が多かったというものの、全国から15万725点(小学生6万7784点 、中学生8万2941点)の応募があった。
舞鶴地区保護司会から京都府推進委員会に推薦した作品の中からは、最優秀賞の位置づけである「京都府推進委員会委員長賞」を受賞した江口さんの他に、保田百合子さん(高野小6年)が小学生の部で京都府推進委員会委員長賞、髙辻愛実さん(同)が京都保護観察所長賞に輝いた。
加佐中の福本浩介校長は、江口さんの受賞に対し「地域の人たちから、自分のことのようにうれしいという声をいただいている。学校としても、とても誇らしい」と喜びを爆発させた。
【責任感を胸に 率先して行動を】
江口さんは作文で、一面的な視点が新たな悲劇を招く可能性があることを主張する。「桃太郎」を例にした題材は分かりやすく、世間に潜むいじめの構図に鋭く切り込んだ内容となっている。
問題意識を持つきっかけとなった教材に出会ってから江口さんは、友達とけんかになっても一旦立ち止まって考えられるようになったという。今回の受賞について「まさか自分がこんな賞をいただけるなんて」と喜びよりも驚きが先立ったと話し、「自分が書いたからには、こうした考え方を率先して心がけていきたいと思います」と力を込めた。
同校の福本校長は「今、世界的に人種差別が表面化していたり、多様性を尊重する必要性について考えさせられたりする機会が多くなっている。そんな中で、江口くんの作品は、今後に教材として受け継いでいけるものだと思う」と活用にも言及した。
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