「クサフグ」- 膨れる姿が愛らしい【舞鶴・若狭水中散歩】
投稿日時:2022年02月14日(月)
舞鶴湾で釣りをしていて、「またこいつか」というくらいよく釣れるのが、このクサフグである。釣り人には嫌われ者の筆頭かと思えば、子供の頃によく親に連れられて釣りに行ったという知人によれば、「ぷっくり膨れるクサフグはかわいいから当たり」だったのだそうだ。釣りの楽しみも人それぞれである。これだけよく釣れるということは、海の中はクサフグだらけかというと決してそうではなく、潜って数えてみれば、マアジやメバルのほうがよほど多い。クサフグは、釣られやすい魚なのだ。クサフグには毒がある。そのため、たいがいの敵には食われる心配がないからこそ無防備で、釣られやすいのだろう。九州では,乾燥させたクサフグを畑にまいて,鳥や猫を避けるための農薬がわりに使っているところもあるという。毒は内蔵と皮に集中しているので、ていねいに(もちろんプロの手で)さばけば、身は食べられる。それにしてもあまり高級食材ではなく、筆者が行くような居酒屋のメニューでフグの唐揚げとして出てくるのにクサフグが使われている程度だ。通常、クサフグは沿岸の浅いところに点在して棲息しているが、初夏の海水浴場の沖で潜ると、おびただしい数がかたまって砂の中にひそんでいるのをよく見かける。おそらく夕方になると、浅いところへ来て産卵するのだろう。学生の頃、三浦半島にある東大臨海実験所の前の海でクサフグの産卵を見た。大潮の日の夕方,波打ち際でばしゃばしゃと水をはねかせて産卵していたのを憶えている。しかし若狭湾のように干満の差が小さいところでは、それほどドラマチックな産卵はしていないのかもしれない。大浦半島(舞鶴市)の三浜あたりで、8月に入ってから波打ち際で網を曳くと、1センチにも満たない小さなクサフグがたくさんとれる。小さいながらも膨れる姿がなかなか愛らしい。
-
-
2022年10月07日
小浜線開業100周年
100人超えで大掃除・ 老若男女が汗流す
-
-
2022年09月30日
倉谷の大泉寺
お地蔵さま“水浴び”
年に一度のリフレッシュ
-
-
2022年09月09日
秋到来 黄金のひと時
南野陽子さんら舞鶴の里山を満喫
室牛地区の水田で
市民ら稲刈り作業で親睦深める