「ゴンズイ」- ダテではない彼らの口ひげ【舞鶴・若狭水中散歩】
投稿日時:2022年02月10日(木)
ゴンズイは海に棲んではいるけれど、ナマズ目の魚である。写真の魚たちは体長5センチほどの稚魚であるが、立派な口ひげをたくわえているせいか、やけに落ち着いて見える。この口ひげ、筆者が学生の頃に生やしていたものとはわけが違い、ダテではない。それというのも、ゴンズイは匂いを頼りに、暗闇でも仲間の居場所を知ることができる。しかも彼らには、同じ湾で育った仲間かどうかまでわかるというからすごい。種に特有の匂い物質のことをフェロモンと呼び、この「ゴンズイフェロモン」を感知するのが彼らの口ひげの役割だ。もちろん、餌を見つけるのにも役立つ。かくしてゴンズイは、闇夜にも仲間とはぐれることはなく、ゴンズイ玉とよばれる濃密な群れを作って暮らしている。 ゴンズイには両の胸びれと背びれに、都合3本の毒とげがある。臨海実習で網を曳いていて、このゴンズイが捕れると、サンプルの処理中に刺されてしまう学生さんが時々いる。「ゴンズイごときで大騒ぎすることもなかろう」と思いつつも、念のため図鑑で調べると、「体質によっては死に至ることも」とある。臨海実習中に死者を出したら水中散歩どころではないので、今後は心して取り扱いたい。 以前、水槽で飼うためにゴンズイをすくって持ち帰ったら、実験所に戻り着くまでに大部分が死んでしまったことがある。どうやらタモ網ですくったときに、お互いのとげで刺してしまったようだ。かわいそうなことをしたものだ。いつも仲良しだった相手に刺されて死んでしまうのはやはり不憫だ。 見た目はヤバそうな魚だが、味は意外とくせがなくて旨い。毒とげをはさみか包丁で切り落とし、煮付けや味噌汁の具にするとよい。肉質は、ウナギに似てるかな、とも思ったが、それよりもやはり、アメリカ南部に滞在中に何度も食べたナマズの味に近い。さすがは、ナマズの仲間。
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