アオハタ

アオハタ

投稿日時:2017年1月31日

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          2013年8月27日,高浜町音海の水深4mで撮影されたアオハタ.体長12cmほど

 アオハタは,キジハタとよく似た魚だ.舞鶴の鮮魚店ではキジハタはヨネズ,アオハタはキヨネズとして売られることが多い.キジハタは赤褐色の斑点があるのに対し,アオハタには黄色い斑点がある.アオハタにはまた,体を横切る線が5本あって,その3本目が太いのも特徴的だ.
 舞鶴湾内では,両者が同時に釣れることがあり,当然のことながら食べ比べてみることになる.まず刺身にすると,アオハタの身には青みがさしているのに気づく.これが和名の由来だろう.アオハタはそれなりにおいしいが,刺身でも煮付けでも,キジハタには及ばないと思う.
 これら2種では,生息環境も少し異なる.キジハタはホンダワラ等の褐色の海藻が繁茂した岩礁を好むが,アオハタは砂や泥の海底にぽつんとある岩や古タイヤの周辺,あるいはアマモ場にいることが多い.それぞれの体色は,生息環境の色合いを反映したものだろう.さらに,アオハタの方が南方系の種類である.
 したがって,温暖化の進行と海藻の減少によって,キジハタよりもアオハタの増える可能性が高い.試みに,過去15年間の舞鶴湾内での毎月2回の潜水のデータを調べてみると,キジハタは期間の前半から後半にかけて見られた数が47尾から38尾に減少したのに対し,アオハタは45尾から61尾に増えている.魚たちの顔ぶれの変化によって,環境の推移を教えられることになる.
 日本ではマイナーながら,中華圏では人気の高い魚のようで,特に中国南部では本種の養殖が盛んに行われている.唐揚げ甘酢あんかけなど,中華風の濃い味付けが合う魚なのかもしれない。