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観光振興に次の一手~遊覧船とヘリコプターを観光資源に

観光振興に次の一手~遊覧船とヘリコプターを観光資源に

投稿日時:2020年03月24日(火)

 東京オリンピック2020と大河需要で、本来は大きな飛躍が期待された当地の観光振興。誰もが思いもしなかったウイルス禍で足止めを余儀なくされている現在だが、新たな振興策がお目見えした。

 舞鶴観光の人気コンテンツのひとつである遊覧船に、20日から新たな仲間が加わった。新船「まいづる」は定員81人(座席61人、船尾甲板スペース20人)。事業主の舞鶴交通安全協会は、クルーズ事業部を立ち上げて新規参入。従来は舞鶴自動車学校の運営を柱に安心安全な地域社会の実現に努めてきたが、自動車免許取得者の減少や自動運転化など来るべき社会の変化に備え、事業の再構築を図るため経営の多角化に踏み切った。同協会は昨年6月に中古船を購入し、市内の造船所で大規模な改修を実施。今年1月には旅客不定期航路事業許可を取得し、綿密な準備を重ねて、就航にこぎつけた。同協会が定期運航するのは「舞鶴軍港クルーズコース」と名づけた30分のコース。遊覧船は、赤れんが桟橋から出航し、前島ふ頭、教育隊、23航空隊ヘリ基地、JMU造船所、自衛隊桟橋の順に回り帰港する。運航期間は、3月~翌1月までの11カ月間。11月までは平日2便、土日祝3便を運航。12月~翌1月は土日祝のみ3便を運航する。船には海自OBをはじめとする専属ガイドが添乗するとしている。乗船券は大人1300円▽子ども(3~12歳)700円。観光情報サイト「まいづる観光ネット」でウェブ予約(土日祝分)を受け付けるほか残席分と平日分は、舞鶴赤れんがパーク2号棟の乗船券販売所で当日販売される。同協会は、「当地の観光産業のけん引役を果たすとともに、地域資源を活用した新たな観光創造による地域貢献をしていきたい」としている。

【客船乗客に向け観光プログラムを】

 舞鶴港第3ふ頭で13日、計画中の観光ヘリコプターがテスト飛行をし、試験搭乗した観光事業者らが西市街地を見下ろす遊覧飛行の魅力を体感した。テスト飛行を実施したのは、京都市に本社を置くコンサルティング業、日本マネジメント開発研究所(森本修社長)。京都市内にヘリポートを所有する同社では、クルーズ船の寄港が近年増えている舞鶴港に注目。クルーズ客船の乗客向けの観光アクティビティとするべく、観光ヘリ就航を目指している。この日は、京都市内の同社ヘリポートから4人乗りと7人乗りの2機が舞鶴港にやってきた。テスト飛行では、地元の観光業者や報道関係者が4人乗りのヘリに乗り込み、5分程度の遊覧飛行を楽しんだ。数年前に舞鶴港に初めて寄港したダイヤモンドプリンセス号を見て以来、「舞鶴に観光ヘリを」と計画を推し進めている同社会長の清水三雄さん(79)は、「各方面の協力を得て、ようやくここまでこぎつけた。舞鶴での観光開発はもとより、将来的には市民の皆様の足としても利用いただけるようにしていきたい」と力を込めた。同社は現在、3年以内の事業化を目指しているという。他の観光地にはほとんど例のないヘリの遊覧飛行。海と空の観光コンテンツがそろい踏みすれば、当地の観光振興に大きな武器となる。今後の動向に注目したい。

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