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舞鶴出身の版画家・田主さん(茨木市) 版画文集『心の旅 西国三十三所』出版【舞鶴】

舞鶴出身の版画家・田主さん(茨木市) 版画文集『心の旅 西国三十三所』出版【舞鶴】

投稿日時:2005年02月22日(火)

 舞鶴出身で本紙に「ふるさとの風」を連載する版画家、田主誠さん(62)=茨木市=が、このほど版画文集『心の旅 西国三十三所』を出版した。一昨年にNHKテレビ「4時です 上方倶楽部―歩数計で巡る心の旅 西国三十三所」にレギュラー出演し、発表した作品を掲載している。巡礼先で出会った人々や自然から受けた多くの思いやりなどの気持ちを、カラーと白黒の作品に込めた。札所巡りの風景の1コマと田主さんの心の軌跡が記されている。東舞鶴高校卒業後、国家公務員をしながら独学で版画制作を重ね、ノルウェーなど多くの国際版画展で入選。1977年から国立民族学博物館に勤務し、世界の民族博物誌シリーズの版画を担当した。その後、創作活動に専念、海外を取材し新聞などに連載する活動も加わった。「4時です 上方倶楽部」には2003年4月から翌年3月までの1年間出演し、西国三十三所の第一番・青岸渡寺(和歌山県)から三十三番の華厳寺(岐阜県)まで巡り、版画作品を制作して毎週1回番組中で発表するコーナーを担当した。スケッチのために同じ札所を2、3度訪れもし、毎週放送の前日から当日にかけて一気に制作し、スタジオに持ち込んだ。番組終了後の昨年3月、大阪放送局で作品展を開き約1万人が来場した。画文集はA4判変形(縦・横とも20センチ)で96ページ。58点の版画を収めた。表紙にふるさとの二十九番・松尾寺の馬頭観音の作品を載せた。墨で刷り和紙の裏から色を重ねたカラー木版画に、シルクスクリーンの白黒作品も交え、各札所ごとに文章を添えている。1500部作成した。寺院前で女性たちが談笑したり、おみくじを読む親子の様子などを描いた。巡礼中、畦道に咲いていたアジサイを通りすがりの村人が、一輪くれたりする素朴な思いやりを体験した。実際に歩くことから生まれた数々の田主さんの思いが伝わってくる。出版に合わせて、京都市の高島屋京都店で2月16~同22日、版画展を開催した。また、出版と個展を祝って、国立民族学博物館名誉教授の石毛直道さんらが発起人となり、同17日夜、大阪市のホテルで記念パーティーも開かれた。関西で活躍する文化人はじめ、舞鶴からも友人らが駆けつけ、約200人の参加者が田主さんを囲んだ。  田主さんは「末期がんで余命少ないという人が番組を見て癒されたという声を聞きました。西国詣でがそれぞれの人生にいかに潤いをもたらしているかを思い知りました」と話していた。画文集は1冊2000円。市内の書店でも近く販売する予定。問い合わせは編集工房is(電話・FAX072・757・8212)。

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