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舞鶴出身の樫田さん(横浜市) 湯河原文学賞小説部門で最優秀賞【舞鶴】

舞鶴出身の樫田さん(横浜市) 湯河原文学賞小説部門で最優秀賞【舞鶴】

投稿日時:2005年04月26日(火)

 舞鶴出身の樫田哲平さん(25)=横浜市=の短編小説「朝焼けギムレット」が、神奈川県湯河原町の主催する第4回湯河原文学賞・小説部門の最優秀賞に輝き、祥伝社(東京都)が発行する文芸誌「小説NON」の4月22日に発売された5月号に、受賞作が掲載された。父親と息子の絆をテーマとした作品で、同町在住の作家、西村京太郎さんらが最優秀に推した。樫田さんは今後も作家を目指して、作品づくりに取り組みたいとしている。余部上出身の樫田さんは西舞鶴高校卒業、東京の大学に進学し、卒業論文を執筆中の気分転換にと、以前から好きだった小説を書き始め、恋愛小説「鎮魂花」を完成させた。2003年に出版社との共同出版の形で、この作品を本にした。その後、小説を書くことに専念しようと広告会社を辞め、アルバイトをしながら創作活動を続け、今回が初めての文学賞の受賞となった。湯河原文学賞はミステリーや恋愛など現代を舞台とした短編小説を対象とし、第4回の募集には174編の応募があった。その中から最終選考に四編が残り、樫田さんの「朝焼けギムレット」が選ばれた。作品は妻を亡くしたバーテンダーの男が、ふとしたことから妻との交換日記を見つけ、関係がぎくしゃくした息子とも交換日記を始め、親子の絆を取り戻していくストーリー。タイトルが先に浮かび、そこからイメージを膨らせた。受賞に対して「これでようやく『作家を目指しています』といえるかな、と。受賞したことより、家族や友人が喜んでくれたことの方がはるかに嬉しかった」という。「小説NON」5月号に全文が掲載されたほか、作家の西村さんが「小さなエピソードが楽しく、筆力があるので、将来性を感じた」と選評を寄せている。雑誌を手にして「これからもいろんな雑誌に掲載してもらえるように頑張ろうと気合が入った」。自分が感じた大事なこと、悲しいこと、切ないことなどを伝えるため、小説という1つの例え話を描く。「将来は芥川龍之介の作品のような寓話的でシンプルな中に、教訓を含んだ作品に進むかもしれない」と小説に向き合う日々を続けている。5月号は500円。市内の書店で発売中。

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