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第67回舞鶴市民俳句大会−舞鶴伝統の俳句大会

第67回舞鶴市民俳句大会−舞鶴伝統の俳句大会

投稿日時:2016年11月15日(火)

 浜の舞鶴市商工観光センターで6日、当地の俳句文化を現代へ継承する大会「第67回舞鶴市民俳句大会」(=舞鶴俳句協会主催)が開かれ、参加した51人が自慢の作品を披露した。当日は両丹連絡会の南うみを会長が「季語の働きについて」俳話を行い、参加者は互いを高め合った。同大会は事前句と当日句の2部門で優秀作品が互選される。
当日句の部では参加者が当日用の句を2つ用意し提出する。その中から一般参加者は好きな句を5作品、役員は10作品選び、票数の多かった順に優秀作品が選考される。熟考の末、それぞれ市長賞など5句が入賞、10句が優秀作品として選ばれた。同協会の福井久生会長(72)は「(敷居が高いなど)俳句に対する先入観がある。子どもたち広めるためにお手伝いをさせてほしい」と俳句文化の普及を願った。

○ 平成28年度第67回舞鶴市民俳句大会優秀作品
▼事前句の部
糀屋に昭和のにほひ夏暖簾 土肥たか子(行永)舞鶴市長賞
にいちやんの後ろついてゆく地蔵盆 薮内栄子(引土)舞鶴教育委員会賞
夕凪や巨船きのふと同じ位置 佐渡寿美恵(七条中町)舞鶴市民新聞社賞
金婚の夫健啖に秋耕す 田中佐和子(北田辺)俳人協会両丹連絡会長賞
敗戦忌野の花はみな供花になれ 上野和子(大君)舞鶴俳句協会長賞

▼当日句の部
秋霖や音とゝのへて茶●置く 吉田紀子(三松)舞鶴市議会議長賞
青空の落款のごと木守柿 碓井慧(昭和台)舞鶴文化協会長賞
柿?くや夫は故郷を捨てきれず 田中佐和子(北田辺)京都新聞賞
一輪へ日差し集むる冬薔薇 川島政江(浜)俳人協会両丹連絡会長賞
子が先に馴染む勤務地林檎むく 瀬野ちひろ(北吸)舞鶴俳句協会長賞

○ 平成28年67回舞鶴市民俳句大会
▼事前句の部入賞作品
まつすぐに生きて健やか敬老日 土肥たか子
ふたりして離郷の身なり雁渡る 田中佐和子
墓灯籠点して闇をけり 福井久生
相続の話に及ぶ盆の月 大槻美千江
畑のものだけを夕餉に敗戦日 佐渡寿美江
残照や稲穂の重み手にしたり 北昌重
露草を生け一筆の書を飾る 安原美葉留
大花火佛の水を震はする 岩木茂
リハビリの妻と揃ひの夏帽子 瀬野尚志
行き合ひの空や蛇口の上向きに 詑間えりこ

▼当日の部入賞作品
半世紀動く時計や秋深し 安原美葉留
終の地と決めねんごろに秋耕す 上野和子
豆稲架や風に吹かるる莢の音 北昌重
奥飛騨の山路は深しとろろ汁 藤村由紀
太刀振の袖にかかるや初時雨 福田幸造
村中に響く海鳴り神渡し 土肥たか子
平らかに父の倍生き終戦忌 嵯峨根一正
凩の毟りたる葉を鋤き込んで 南うみを
彫るほどに匂ふ樟の木初時雨 瀬野ちひろ
故郷を引き払ふ日の芋の露 詫間えり子

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