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浮島丸事件、追悼集会で慰霊の舞 8月24日に韓国出身の伝統舞踊家・金一志さん【舞鶴】

浮島丸事件、追悼集会で慰霊の舞 8月24日に韓国出身の伝統舞踊家・金一志さん【舞鶴】

投稿日時:2007年08月17日(金)

「慰霊の舞を踊りたい」とする金さん(写真は「僧舞」)

 浮島丸事件から間もなく62年を迎える8月24日。事件の犠牲者に鎮魂の祈りと平和への願いを捧げようと、韓国出身の伝統舞踊家、金一志(キム・イルチ)さん(40)=京都市西京区=が初めて追悼集会に参加し、下佐波賀の殉難の碑前で慰霊の舞を踊ることになった。金さんと在日コリアン3、4世の計5人が出演し、追悼歌「はまなすの花咲きそめて」の曲に合わせて舞う。集会は午前11時から。  浮島丸事件は終戦直後の1945年8月24日に起きた。下北半島で土木工事などを強いられていた朝鮮人労働者とその家族を乗せた輸送艦「浮島丸」が、朝鮮の釜山に向かう途中に寄港した舞鶴湾内で爆沈し、549人が死亡。その後、戦争の悲劇を繰り返させないため、舞鶴市民が殉難の碑を建立し毎年追悼集会を続ける。国内各地をはじめ、韓国からの出席者も増えてきた。  金さんは京都市から集会に参加する在日韓国人から事件の話を聞き、昨年12月に現地に立ち寄る機会を持った。殉難の碑の前に立ち、「無念でたまらない気持ち」が湧き起こり、集会で鎮魂の舞を捧げることができたらと碑を後にした。その想いが知人を通して、主催の「浮島丸殉難者を追悼する会」に伝わり、実現することに。広島でも原爆の韓国人犠牲者の慰霊のため踊っている。  韓国で小学1年から伝統舞踊を始め、18歳で語学留学のため来日。日韓を往復して人間国宝の舞踊家に師事して技を磨いた。96年に京都市内で教室を開校し在日や日本人に韓国の民族舞踊を指導、プロ集団「金一志韓国伝統芸術院」を設立し各地で公演を行うなど、文化交流で日韓の架け橋も担う。昨年は、プロを対象にソウルで開かれ大韓民国国楽コンクールに出場、「僧舞」で最高の長官賞を受賞した。  金さんは「碑を前にして慟哭の叫びに耳を傾け、忘れてはいけないとの思いがこみ上げてきました。亡くなられた人の慰霊とともに、追悼を続ける日本人の皆さんにお礼の気持ちも込めて踊りたい」と話す。京都市交響楽団のトランペット奏者が「はまなすの花咲きそめて」を録音演奏した曲に合わせ、創作舞を披露する。

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