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水間の工芸作家・片桐さんが自宅に 手作り溶解炉備えた吹きガラス工房 【舞鶴のニュース】

水間の工芸作家・片桐さんが自宅に 手作り溶解炉備えた吹きガラス工房 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2002年10月15日(火)

 水間の茅(かや)葺き農家に住むガラス工芸作家の片桐卓さん(31)が、吹きガラスの溶解炉などを備えた工房を自宅に完成させた。妻の由美子さん(32)と一つ一つレンガを積み上げて手作りした窯で、火入れも済ませて順調に炎を保っている。舞鶴に移ってから5年目にして本格的な創作活動のスタートを切ることができ、さっそく来月(11月)2日から自宅で友人のクラフト作家らと作品展や体験教室も開くことにしている。
 神戸市生まれの片桐さんは専門学校でバイオテクノロジーを学んだが、卒業後は物作りの作家を目指し、和知町のガラス工芸作家のもとで初めて吹きガラスに出合い、ここで3年間修行するなどした。その後、いまの農家に夫婦で移住し、すっかり田舎暮らしが合って野菜作りに励んだり、友人らとクラフト展を開くなどしてきた。
 昨年夏から窯の設計図を何度も書き、続く九月から2人で友人のアドバイスを受けてコツコツと作業を進め、先月末に完成したばかり。窯はガラスの原料となる珪砂(けいしゃ)を溶かす溶解炉(縦横1メートル、高さ1.8メートル)、成形をする炉「ダルマ」(縦横85センチ、高さ1メートル)、作品を入れて冷ます徐冷(じょれい)炉からなる。耐火レンガとセメントなどが材料。灯油を燃料としている。
 溶解炉に火を入れた後は、約5日間かけて徐々に温度を上げて1400度にし、炉に設置した壺に25キロの砂を少しずつ入れて1370度で溶かした。ダルマは1324度の温度を保っている。溶解炉の温度を徐々に上げている間は2人で交代で眠って作業をした。燃費のいい窯とするため、今後も窯のクセを見つけて改良する。
 すでに吹きざおを使って皿などを制作し、11月2日からの作品展「よりどりみどり展」の準備をしている。このほかにも九人が木工、鉄ネジ、陶芸などの作品を並べる。片桐さんは「熱で触って造形ができないところにガラスの魅力を感じる。飾り物でなく生活の中で使い勝手のいいものを作っていきたい」と話していた。
 作品展は11月17日まで。午前11時~午後5時。火、水曜は休み。期間中の体験教室は吹きガラスが同3、10日。定員2人1組。費用3000円。陶芸は同7、同14日。定員5人。費用3000円。リースは同9日。定員5人。費用2000円。いずれも先着順、1日2回(午前11時~、午後2時~)ある。申し込みは片桐さん(電話82・0692)へ。

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