最新の記事

  

新たな舞台で飛躍誓う

新たな舞台で飛躍誓う

投稿日時:2019年01月18日(金)

 平成最後となる舞鶴市成人式が13日、北吸の赤れんがパークで行われた。華やかな振袖や凛々しいスーツに身を包んだ新成人たちが、大人としてのスタートを歩みだした。舞鶴市民新聞社は会場に集まった新成人を対象にアンケートを実施。今の若者たちが舞鶴をどう思っているのかを調査した。

 今年の新成人は平成10年から4月2日から同11年4月1日までに生まれた人。市内では計1000人(男557人、女443人)が該当し、式典には300人(男124人、女176人)が参加。式の司会は西舞鶴高校放送部OBの花崎楓子さんが務めた。式辞では多々見良三市長が「新成人の皆さまは本日、新たな一歩を踏み出されることとなります。真摯な姿勢で物事に取り組み、様々な経験を積んでいく中で、成功につながる道のりを学び、社会という大海原に自分の功績をしっかりと刻んでいって欲しい」と激励した。新成人からのメッセージでは代表として大下聡輝さん=丸玉木材=、山口佳惟さん=舞鶴YMCA=、中川紗綾さん=立命館大=、西村大輝さん=舞鶴ポリテクカレッジ=が発表した。大下さんは「今日、こうして成人席を迎えることが出来るのは、これまで温かく支えてくれた家族、友人、恩師や地域の方のおかげです。新しい時代の最初の新成人としての誇りを持ち、大人として課せられた責務を果たします」。中川さんは「大好きな地元を18歳で離れた時、将来は舞鶴の活性化に貢献できる人間になって帰ってくると誓いました。辛い時に頑張れるのも、地元で待ってくれている家族があってこそ。舞鶴に帰るその日まで必ず成長してみせます」とそれぞれ決意の言葉を述べた。その後、新成人全員が起立し「今日まで私たちを支えてくれた方々への感謝を忘れず、強い意志を持ち、多くの人を笑顔にできる素敵な大人になることを誓います」と唱和し、新成人としての自覚と責任を持つことを宣言した。式に参加した新成人らは、来賓らのあいさつにも静かに耳を傾け、それぞれが迎えた節目をしっかりとかみしめている様子だった。

【新成人アンケートに地元企業が協力】

 舞鶴市民新聞社は、例年恒例となっている新成人へのアンケートを式場周辺で実施した。サンプル数は234人。今回の調査では新たな試みとして、浜に本社を置く小売業のウッディハウス(志摩幹一郎社長)の協力を得て実施した。アパレル販売業の同社は市内外の商業施設に実店舗を複数展開するほか、インターネット販売においても市内屈指の実績を誇っている。同社の従業員数は、現在63人で平均年齢は約27歳。「若い力を取り入れて、成長を続けたい」と話す志摩社長だが、人材不足の傾向は大きな課題だという。今回の調査では、同社から細川晃生(みつき)(26)さんと村上佳穂(かほ)(23)さんが調査員として協力。同世代の若者として、新成人の本音に触れた。小浜市出身の細川さんは、大阪の専門学校で学んだ後、同社へ入社。すぐに地元へ帰ることには全く抵抗はなかったという。今回の調査結果で「舞鶴を好き」と言う新成人が圧倒的に多かった反面、「自慢できない」と言う意見が多かったことについて細川さんは、「生まれ育った街への愛着はあっても、楽しいコトがないと感じている人が多いせいではないか」と分析した。「新しいモノや楽しいコトをこの街に生み出すことができる今の仕事にやりがいを感じる」と笑顔を見せた。市内出身の村上さんは、西高を卒業後、関西学院大に進学。同大を卒業後に一旦は大阪で繊維を扱う商社に就職したが、5か月で退職。当初帰鶴は選択肢になかったが、偶然見つけたウッディハウス社の求人に応募し採用。今は働き始めてまだ3か月だという。「大阪での仕事には面白みを感じられなかった。舞鶴は空気もよく住みやすい。自分の選択は間違っていなかったと確信している」と村上さん。「みんなが力を合わせれば、舞鶴はもっと魅力的な街になると思う」とほほ笑んだ。

【おだやかな「家族の暮らし」を夢見る】

 アンケート調査の設問は6問。対面で声をかけながら調査員が聞き取りをした。「ふるさと舞鶴好きですか?」の問いには、大多数の85%が「はい」と答えた。一方で、「舞鶴を自慢できますか?」には、53%が「はい」と答え、それに迫る41%が「わからない」と答えた。好きではあるが自慢できるほどではないという人が一定数いるということが、浮き彫りになった。また、「舞鶴で就職をしたいですか」の問いには、すでに働いている人多数を含んで45%が「はい」と答え、42%が「いいえ」を選んだ。地方での人手不足を今後解消するためには、こうした考えの人たちに、いかにして地方の魅力を伝えられるかが重要になる。次に、「何歳で結婚したいですか」の問いには、全体の77%が30歳までの結婚を望む結果となった。また、「子どもは何人欲しいか」の問いには、2人が58%、3人が20%と続き、少子化の現在では喜ばしい結果となった。最後に、「手に入れたいものは」の問いでは、マイホームが37%と最も多く、舞鶴の若者が、家庭を志向している結果が鮮明となった。「現代の若者は」との枕詞で語られる若者論。やはり都市部と地方では違いがあってしかるべきである。現在、ステレオタイプの若者像は、「超個人主義で物欲なし」と定義づけられたりしている。しかしながら、当地での調査で見え隠れするのは、いつも時代も若者は将来を夢見る存在であるということ。もちろん、こうした調査ですべてが分ることはあり得ないが、アンケート結果に垣間見えたような夢見る若者が、一人でも多く存在することを願いたい。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ