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想いと共にいつまでも~高福寺 ペット供養の観音像

想いと共にいつまでも~高福寺 ペット供養の観音像

投稿日時:2021年05月21日(金)

 別所の高福寺(松本泰一住職)が昨春、ペット供養の観音像を寺所有の敷地一角に建立した。コロナ禍で暮らしを取り巻く環境が変わりゆく中、人とペットのあるべき関係について、松本住職(47)に話を聞いた。

 ペットフード協会が毎年行っているアンケート調査の結果によると、2020年度の新規飼育頭数は犬が約46万頭(前年対比114%)、猫が48万頭(前年対比116%)といずれも大幅に増加した。こうした結果について同協会は、コロナの外出自粛の影響が大きいと推察しているが、一方で「ペットロス」により心身のバランスを崩す人が増えているとも言われている。家族同然に暮らしてきたペットが亡くなり、喪失感や無力感に苛まれる「ペットロス」。日常生活の中で、ペットを心のよりどころとしていた人が、そうした状態に陥ってしまう。先代住職から寺を引き継いで丸7年。荒れ放題になってしまっていたペットの墓所を訪れる人たちの姿を見る度に、松本住職は「何とかしたい」との思いを抱き続けていたという。そんな日々を経て一昨年の秋に整備をはじめ、観音像が昨春に完成。点在していた墓は一か所に集められ、祈りを捧げるための環境が整った。観音像は4年前に亡くなった先代住職が大切にしていたものがモデルとなった。

【気づきや思い出に目を向けて】

 今年の彼岸。久しぶりに同寺を訪れた坂根功一さん(55)は、「綺麗に整備された墓所を見て驚いた」と振り返る。墓所には一人っ子だった坂根さんが、高校まで兄弟のように共に暮らした愛犬が眠っている。これまで墓参に訪れるたび、「荒廃する墓所を見て悲しい気持ちになっていた」と坂根さん。「このまま忘れていってしまうのだろうか」と心を痛めていたという。墓所が整備されたことで、坂根さんは「可愛い愛犬にいつでも逢いに来ることができることに感謝しています」と笑顔を見せた。坂根さんのような人たちに向けて、「悲しみに焦点を当てるのではなく、ペットが与えてくれた気づきや思い出に目を向けてほしい」と話す松本住職も、幼いころに飼っていた猫に様々なことを教えられたと振り返る。大阪府茨木市出身の松本住職。舞鶴市内で僧侶をしていた祖父の縁もあり、平成26年に舞鶴に越してきた。茨木市内の実家も山のふもとにあり、幼い頃から自然豊かな環境で育った住職は、現在の環境にもすぐに慣れたという。同寺のペット供養は先代住職が始めたもので、以前は寺所有地に点在する墓所を、「年間10数件はお参りに来る人がいた」と住職は話す。「ペットが亡くなって、触れたり話しかけたりすることは出来なくなるが、思い出やペットが与えてくれた気づきなどはなくならない。そういうものに目を向けてもらうことが平穏につながるし、ペットの供養にもなる」と住職。コロナ禍でよりクローズアップされる「ペットロス」だが、こうした考えを参考に、心のバランスを崩してしまう人がないよう願いたい。

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