最新の記事

  

幸せ願い 踏み出す一歩~舞鶴猫部 市内で譲渡会を初開催

幸せ願い 踏み出す一歩~舞鶴猫部 市内で譲渡会を初開催

投稿日時:2020年09月11日(金)

 ペットは大切な家族―。近年、犬や猫を飼う家庭が多い一方で、人間の無責任な行動などにより失われていく命もまた多い。国内では年間20万頭近くもの犬や猫が、殺処分に追い込まれている。本市も例外ではなく、野良猫や捨て猫は後を絶たない。小さな命は、猫を保護する人と飼いたい人により救われていく。そんな人と猫を繋ぐ『窓口』として、これまでなかった新たなコミュニティを生み出した『舞鶴猫部』を取材した。

 犬に比べて高い繁殖力を持つことから猫は、人間の犠牲になりやすい。猫は1年に2~4回の出産が可能で、1回に4~8匹の子猫を産む。不妊・去勢手術を施されない状態で捨て猫になったり多頭飼いされると、手に負えないくらい増えてしまうことは言うまでもない。譲渡会を開き里親を探していく保護猫団体は各地に存在しているが、本市にはこうした団体の存在はなく、市民がボランティアとして活動することで猫たちは救われている。しかし、個人で保護猫の里親を見つけ出すことは容易ではない。一般的に譲渡会では、実際に会って猫との相性を確かめたり、飼育可能な環境であるかなど、様々な視点から問題がないかなどの確認が行われる。猫が当日に譲渡されるケースはほとんどなく、飼育希望者は、トライアル飼育と呼ばれる「お試し飼育期間」を経て、ようやく家族として迎えられる。

【里親を探しやすい場に】

 これまでは知人に声をかけたりSNSで呼びかけたりと、それぞれが個別に保護猫の里親をさがしてきた。宮津市などの近隣地区では譲渡会が開かれていたが、舞鶴にはなかった。そんなモヤモヤした思いを払拭するべく立ち上がったのが『舞鶴猫部』だ。猫好きな市民らで結成された舞鶴猫部は、猫の保護団体ではない。猫を迎えたい人と猫との縁を繋ぐコミュニティで、SNSでの情報発信や譲渡会の開催などを通して里親探しの手伝いをする。代表を務めるのは、meko[めーこ]の名でイラストレーターとして活動している山﨑恵さん(33)。舞鶴猫部のロゴイラストも山﨑さんが手掛けた。猫を背中に乗せた鶴のイラストには、舞鶴の“鶴”が“ご縁を運ぶ”という意味合いを込めた。「個人が里親を探しやすい場を」との思いから7月には、舞鶴で初開催となる譲渡会を企画。生後2ヶ月の子猫から成猫まで13匹を対象にした譲渡会だったが、コロナ禍にあって里親希望者が来てくれるのかなどと不安もあった。コロナ対策で人数制限をしながらの入場だったが、当日は100人近い来場者が訪れた。里親を希望しこの日譲渡受付をした人は、後日1~2週間のトライアル期間を経て正式譲渡となる。今回の譲渡会では8匹(子猫5、成猫3)のトライアルが決まった。その後、舞鶴猫部がつないだ縁で、この秋までに数匹の猫が新たな家族として迎えられている。「里親さんを探している猫がいる限りは定期的に開催したい」と話す山﨑さんは、「大切にかわいがって育ててもらえれば嬉しい」と猫たちの幸せを願った。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ