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実りある未来へ<br>舞鶴高専・プログラミングコンテストを初開催<br>市内外から30数人がエントリー

実りある未来へ
舞鶴高専・プログラミングコンテストを初開催
市内外から30数人がエントリー

投稿日時:2021年11月12日(金)

 機械学習分野の世界的な研究者であるマイケル・オズボーン教授(オックスフォード大)は、2013年に発表した論文「雇用の未来」で、「20年後に、現在ある職業の47%はなくなる」と予測した。そんな中、激変が加速する社会を見すえ、文部科学省は小中学校での「プログラミング教育」を必修化。そうした流れを受けて舞鶴高専が11月7日、「舞鶴高専杯プログラミングコンテスト」を開催。初めての企画にも関わらず、会場は市内外から集まった多くの小中学生で熱気に包まれた。

 この日、会場に集まった小中学生は34人。コンテストは、アイデア部門とゲーム部門に分かれて実施された。
 アイデア部門に出場する児童生徒は、保護者や関係者も含めると60人ほどにもなる観衆を前に発表。それぞれが緊張した面持ちで、持ち時間3分間のプレゼンテーションを展開した。
 同校では、コンテスト開催の目的を、「小中学生の発想力、表現力、技術力および、発信力の向上」と位置付けているが、児童らの発表はそれらの総合力をいかんなく発揮したもので、発表が終わるたびに会場は大きな拍手で包まれた。
 また、ゲーム部門に出場した6人は、実際にプレー画面を出しながら、ゲームの特徴や開発途上で苦労したことなどを審査員に説明。自らの作品のピーアールに励んだ。
 全ての発表が終わると直ちに審査が行われ、各賞が発表。審査員を務めた同校電気情報工学科長の内海淳志さんは「今回の発表は、ICTの活用や他とのコラボレーションなど、本当によく考えられたものばかりだった。より良い未来を目指すため、皆さんと一緒に頑張っていきたい」と講評を述べた。

【激動の社会で変化への対応力を】
 アイディア部門で最優秀賞に輝いた西山昂毅さん(兵庫教育大学附属中1年)は、「SDGsの達成 ~いつでも どこでも どこまでも」のテーマで発表。説得力のある説明が高評価を受けた。西山さんは「まさか受賞出来るとは思わなかった」と驚きながらも「努力が実ってよかった」と笑顔を見せた。
 ゲーム部門最優秀賞を受賞した木坂嵐さん(青葉中3年)は、資源を集めて島を開拓していくゲーム「OCEAN BOX」を発表。複雑な動きを実現した完成度の高さが評価された。木坂さんは「まさか選ばれると思っていなかったのでとても嬉しい」とし、「もっと複雑なゲームも作れるように勉強を頑張りたい」と今後への意欲を見せた。
 コンテスト当日には、舞鶴高専の生徒も運営を手伝い、作品に見入る一幕も。同校電気情報工学科の大垣光希さん(19)は「ちゃんと社会の問題点をとらえ、独特の発想で作られている。小中学生の着眼点に驚くとともに、大きな刺激をもらった」と話した。
 審査員を務めた市政策推進部の小西征良次長は「皆さん完成度がとても高く、感心してばかりだった。将来の社会を担う人材となってもらうよう期待している」と話した。
 瞬きもできないようなスピードで変化し続ける現代。「私たちの仕事が、いずれAIに奪われる」という危機感が社会に広がる一方で、今の小中学生が社会に出る頃、その約6割が「今はまだ存在しない仕事に就く」という研究結果が発表されたりもしている。
 そうした状況の中で、今の子どもたちに求められているのは「変化に対応できる力を身につける」こと。
 この日のコンテストがその大きな一歩になったことは、出場した児童生徒らの目の輝きが如実に物語っていた。

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