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夭逝した少年と少女の思いアジサイに 城南中生、花を通して命の尊さ学ぶ 【舞鶴】

夭逝した少年と少女の思いアジサイに 城南中生、花を通して命の尊さ学ぶ 【舞鶴】

投稿日時:2006年06月27日(火)

看護師から贈られ、いま大きな花を咲かせるアジサイ

 京田の城南中学校(稲川芳文校長)の正門右側の花壇に、大きな色とりどりのアジサイがいま花を咲かせている。城南中への入学を待たずに亡くなった少年が、病院の病室から眺めていたアジサイを看護師が17年前に学校に贈り、学校技労員が挿し木をして増やしたものだ。長年、アジサイに秘められたこうした話は知られずにいたが、生徒たちは花を通して命の尊さを学ぼうと取り組みを始めた。城南中に勤務した技労員の男性が2005年3月に退任する際、いきさつを初めて披露した。国立舞鶴病院(現・舞鶴医療センター)に入院していた少年が急性骨髄性白血病で亡くなった。少年は病室の窓からアジサイをよく眺めていたことから、小児科看護婦長がそのアジサイを少年が進学するはずだった城南中に届け、この男性が校舎がよく見える国道側の花壇に挿し木をし、少しずつ増やしていった。初めてこのエピソードを知った学校職員が調べていく内、この少年と前後して同じ病気を5歳の時に発病し、入院した舞鶴病院に隣接する舞鶴養護学校で学び、平成3年6月に10歳で亡くなった岡安直美さんのことを知った。直美さんも城南校区に住んでいたことが分かった。アジサイを通して、夭逝した少年と直美さんから命の尊さや、関わった人たちの思いを感じようと、今月から教師らが授業で経過や、直美さんが亡くなる2年前の小学2年の時に、自分の入院で生活が変わった家族を気づかう作文などを全生徒に紹介した。生徒と教師らは地域のお年寄りから剪定の方法を教えてもらったり、手伝っている伊佐津川沿いのアジサイ並木に、このアジサイを植えることなどを話し合っている。3年生の舩本あかりさんと秋山佳菜さんは「由来を知ってびっくりした。多くの人に知ってほしい」、3年生の阿部純也君は「校内にアジサイを増やしたい」と話していた。

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