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名取市閖上の菊池富紀子さん来校 日星の支援に感謝 復興の励みに 生徒レポーターが現地の雰囲気伝える 全壊した幼稚園再建への思い語る 子供たちと共に園の早期再開を【舞鶴】

名取市閖上の菊池富紀子さん来校 日星の支援に感謝 復興の励みに 生徒レポーターが現地の雰囲気伝える 全壊した幼稚園再建への思い語る 子供たちと共に園の早期再開を【舞鶴】

投稿日時:2013年03月22日(金)

名取市閖上の菊池富紀子さん

東日本大震災の被災者の支援を続ける上安久の日星高校にこのほど、津波で全壊し園児が犠牲になった宮城県名取市の私立(ゆりあげ)わかば幼稚園の菊池富紀子前園長(55)が来校し、これまでの支援の感謝と園の再建に向けた思いを生徒たちに伝えた。復興が進まない現状を交え「被災地を忘れないで下さい」と語った。
 名取市の震災犠牲者は約1000人。海沿いにある閖上地区は人口約7000人の内、死者と行方不明者が800人を超え、壊滅的な被害を受けた。52人の園児が在籍した地区で唯一の同園は、3月11日が卒園式だった。園児4人と教諭1人、保護者たちが犠牲になった。
 帰宅中の車のラジオで10メートルの高さの津波の来襲を聞き、車で避難して助かった菊池さん。ボーリング場に並ぶ多くの棺に納められた遺体を確認するため、顔を覗き込むと多くの知人を見つけた。「3、4歳の子がなんでこんな目にあわなきゃいけないのか。気が狂いそうだった」と苦しかった気持ちを振り返った。
 なぜ生き残ったのか、生きていることに罪悪感を感じる日々。しかし、友人の「生きていてくれてありがとう」の言葉に救われた。「自分は生かされたんだ。できることを一生懸命やろうと思った」と前へ歩みだした。
 子供たちの笑顔で大人たちを支えよう、不安を抱える子供たちに外で遊ぶ機会をつくろうと、避難所でばらばらに暮らす園児たちに呼びかけ、ソーラン節などを踊るイベントに取り組んだ。休園中の幼稚園の再開へ動き出すと、多くの励ましが届いた。「いま子供たちは元気に過ごしています」と報告する。
 震災から2年、閖上地区は更地のままで、大部分は危険地区として住宅は建設できない。市は土地をかさ上げしてまちを再建する計画だが、実現の道のりは遠い。講演後の取材で、菊池さんは早期の仮設園舎の建設へ、粘り強く関係機関に働きかけるとともに募金を続ける現状と、「遠くにいても見守っていてくれる人がいるだけで励みになります」と話した。

写真=日星高を訪れ、生徒たちにお礼を述べる菊池さん


生徒と八千代館
募金贈る

 日星高で開かれた「忘れない3・11つながろう東北と」の集いで、生徒会長の柴田日菜子さん(2年)が募金33,000円を菊池さんに手渡し、「被災地のニーズを知って自分たちにできる支援を続けよう」と生徒たちに訴えた。
 また、映画館「八千代館」も館内に置いた募金箱に寄せられた募金47,040円を菊池さんに送った。

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