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可能性は無限大<br>みずなぎ鹿原学園<br>劇団運営への挑戦が4年目に<br>のびのび演じた「ライオンキング」

可能性は無限大
みずなぎ鹿原学園
劇団運営への挑戦が4年目に
のびのび演じた「ライオンキング」

投稿日時:2021年11月26日(金)

 不可能とも言われた投打の「二刀流」で大活躍した、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がこのほど、満票でア・リーグのMVPに輝いた。挑戦への否定的な声もあるなか、地道な歩みで偉業を達成した大谷選手。その姿から私たちは、努力することの尊さを改めて学んだが、当地でもどこかで誰かが、小さいようで大きい、自分なりの確かな一歩を踏みしめながら日々を過ごしている。

 鹿原のみずなぎ鹿原学園(鈴木令子施設長)でこのほど、関係者らおよそ20人が招かれ、劇団四季ならぬ劇団”四鹿”の公演「ライオンキング」が上演された。至近距離の観客らに緊張しつつも劇団員たちはそれぞれの役を堂々と演じ切り、会場は大きな拍手に包まれた。
 言わずと知れた劇団四季をモジり、冗談のように始めたという劇団四鹿。そんな取り組みも今年4年目を迎えた。
 ディズニーをテーマに進めてきた同劇団。初年度は、比較的難易度が低く、皆が同じ振り付けで踊るというリトル・マーメイドに挑戦。仲間でわいわい楽しむことを目的とした。続く2年目はアラジンを、3年目となる昨年は美女と野獣に決めるも、コロナ禍の影響でステージ発表は断念せざるを得なかった。だがそんな中、市内の自然公園へ出向くなどして動画を撮影。ピンチをチャンスに変え、同園のカフェスペースで動画を上映することで多くの人の目に触れた。
【新たなステージへ】
 そして4年目となる今年挑戦したのは、話の展開も難しく、演技も複雑化するという“ライオンキング”。

 映像担当の河地佳美さん(38)は、「今年こそはワンランク上を目指したかった」と振り返ると笑顔で「完成度は100%。でも、もっともっと伸びしろがある」と期待を込める。
 出演は強制ではない。しかし、年を追うごとに劇団員は増え、今年はおよそ50人に。出演者が集まったあとに重要となる配役は、日頃から一人ひとりをよく見てよく知る支援員が、見極めながら担う。
 その中で苦手にそっと手を携え、得意を見つけて背中を押す。
 主役のシンバ役に抜擢された佐藤明男さん(20)も、盛大に背中を押された一人だ。
 役が決まった時「緊張して足が震えた」という佐藤さん。配役の理由を振り返る総合演出担当の高橋佳世子さん(35)は「はじめは本当に聞き取れないほど小さな声だった」といい「やればできる。きっとまだまだ可能性があると思った」と笑顔で話す。
 今年の七夕の短冊に「劇団四鹿が成功しますように」としたためた佐藤さんは、「いっぱい人がいて緊張した。けど見てもらえてうれしい」と笑顔を見せた。
 普段はパンづくりなど同施設での就労に励み、その合間を縫って練習を重ねてきた。
 楽しそうに演じる仲間を見るうちに“自分もやってみようかな”と一歩を踏み出した団員たち。それぞれにつけた自信の大きさや形は違えど、着実に歩んだその一歩は大きい。
 ますます磨きのかかる劇団四鹿の『ライオンキング』は、12月・1月ともに上演を予定している。
 またこのほかにも、上演を希望する人には相談に応じる。
 お問合せは℡0773・63・5030、河地さんまで。

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