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千の句選んだ集大成<br>94歳の森本さん<br>句集を発刊<br>川柳と過ごした70余年<br>  紡ぎ続けた「もう一つの命」

千の句選んだ集大成
94歳の森本さん
句集を発刊
川柳と過ごした70余年
  紡ぎ続けた「もう一つの命」

投稿日時:2021年07月06日(火)

 人生100年時代と言われて久しい昨今、何かと出来ないことや諦める事柄に対して、高齢がその理由にはならない時代になりつつある。70余年の歳月を川柳とともに過ごしてきた舞鶴番傘川柳会会長・森本芳月さん(94)=余部上=がこのほど、「94歳の贅沢」と題した句集を発刊した。これまでに自身が手がけた川柳の中から1000句を抜粋し、A4判48ページにまとめた。

 コロナ禍で句会の開催もままならない状況が続く中、高齢となり以前のように言うことをきかない体、落ちてしまった体力に、元気を失いつつあったという森本さん。
 しかし、「負けてたまるか」そんな思いと、弱った自分に喝を入れるつもりで、1000という大きな目標を掲げた。
 句集発刊を決意した4月中頃から、体調の良い時に少しずつ抜き書きを始めた。体調がすぐれず思うように筆が進まない日もあったが、「川柳」ということばの力に励まされるように、作業に取り組んだ。
 日常生活の中で、ふと思いついた言葉はすぐに書き留めるなどし、これまで歩んだ人生とともに作りあげてきた多くの川柳。森本さんは、作った当時の思いを振り返りながら、その一つひとつを噛みしめるように、選句を進めた。
 また今回は、年代別のような枠や規定を設けることなく、過去に発刊したどの句集とも異なる編さん方法をとった。こうしてただ新鮮な気持ちで作品に向き合いながら、句集は完成した。
 「川柳は自分にとって“もう一つの命”」そう話す森本さん。今回の句集では、長い人生を支えてくれた川柳への大きな感謝も込めているという。
 コロナ禍で身動きがとりづらく辛いことや嫌なことも、「川柳のおかけで忘れられることができた」と言葉の力に勇気づけられ、励まされた日々を振り返る。
 森本さんは「“贅沢”なんて少し合わないかもしれないが、目を通していただければ嬉しい」と話している。
 句集は東西図書館でも読むことができる。
 希望者には無料で配布も可能(数量限定)。問℡0773・78・2055、舞鶴市民新聞社まで。

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