最新の記事

  

人生日々挑戦 継続は力なり

人生日々挑戦 継続は力なり

投稿日時:2017年03月24日(金)

 浜の市政記念館で2日、平成28年度舞鶴市優秀スポーツ賞の表彰式が行われ、上福井の亀井美尚(よしなお)さん(83)が、最年長で受賞した。数々の快挙は、市内のスポーツ界にとどまらず、日々目標を持ち意欲的に生きることの大切さを広く訴えかける。

 亀井さんは、昭和8年に吉田で7人きょうだいの3男として生を受けた。西舞鶴高校では陸上部に所属し、走り幅跳びでは京都府で優勝する。しかし、3年生の折にアキレス腱を負傷し、その後進学した三重大学でも陸上競技は続けず、運動から離れる日々が続いた。就職した農協関連の農薬メーカーでは、営業に従事し異動を繰り返し全国を渡り歩いたが、42歳のとき、ストレスの影響もあり腰椎を痛めてしまう。水泳を始めたのは、医者のすすめで競技とは程遠いものであった。在職中の水泳は、無理をしない範囲内での運動不足、ストレス解消には一定の効果があったが、退職後に帰鶴してからの60歳からは、次第に物足りなさを感じ始めた。還暦から始まった競技生活は、過酷なものだった。週に5~6日、1日3kmのメニュー消化。基礎体力の向上や体幹強化、心肺強化のトレーニング。またメンタル強化のために、陶芸や茶、坐禅なども取り入れ、公認試合に定期的に出場し経験値を蓄えた。酒はほとんど口にせず、食事もたんぱく質を中心に規則正しい生活を心がけた。努力は実を結び、昨年度にはジャパンマスターズ水泳大会20回出場の表彰を受けた。その間には、自由形100mで7回、個人メドレー200mで3回の優勝に輝き、日本新記録樹立も8回を数えた。「継続は力となり、才能になると信じています」と亀井さんは話す。衰えることを知らない挑戦の意欲は、周囲にも明るい影響を与えている。

 亀井さんがトレーニングする泉源寺のビートスイミングクラブでは、2人の選手が29日に大舞台に挑む。東京辰巳国際水泳場で行われる「第39回全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会」に、森脇裕大(ゆうだい)選手(西舞鶴高2年)が200m平泳ぎで、山﨑穂乃花(ほのか)選手(青葉中1年)が100m・200m平泳ぎで出場する。毎日2時間週6日、5~7km練習するという二人だが、ともにベスト記録を出して決勝に残りたいと意気込む。コーチを務める奥東俊彦さん(39)は、「大変期待している。日本選手権に出られる選手になって、東京五輪を目指していきたい。亀井さんのようなお手本があるのもクラブの強み」と話す。年の差実に70歳。共に挑み目指している世界の舞台。「とにかく目標は高く持たねばならない。挑戦する意欲と執念、勝とうとする信念、これらがスポーツに限らず大切。結果よりも過程にこだわって意味のある日々を過ごしてほしい」亀井さんは、ふるさとの若者にエールを送った。当地のスポーツ界の快挙が、まちを明るく照らす起爆剤になることを願いたい。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ