喜び噛みしめ剣士ら躍動-第25回鈴木杯舞鶴剣道選手権大会-

喜び噛みしめ剣士ら躍動-第25回鈴木杯舞鶴剣道選手権大会-

投稿日時:2020年11月27日

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賞状を手にし充実感を漂わせる入賞者たち
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気合十分で試合に臨む剣士ら

 上安の文化公園体育館で22日、晩秋の冷雨そぼ降る気候とは裏腹に、剣道場は剣士たちの発する熱気に包まれた。コロナ禍で開催延期となっていた「第25回鈴木杯舞鶴剣道選手権大会」に約100人の剣士が参加し、鍛錬の成果をそれぞれが発揮する一日となった。



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 今年一年、多くのスポーツが辛酸をなめたコロナ禍。
 競技を問わず、大会などの開催はおろか日々の練習も出来ない日々が続いた。そんな中、選手たちは、体はもとより心のコンディションを整えることが難しい環境に陥った。
 剣道は対戦相手との距離も近く接触も多いため、より一層ネガティブな情報に翻弄された。3月に愛知県で開催された剣道大会で、千葉県在住の20代男性2人がコロナ感染したという誤報が出るなど、感染イメージも環境を悪化させた。
 当地の剣道界でも例にもれず、そうした状況が続いた。3月から 6月末まで稽古は全て自粛。7月から段階的に稽古は再開したものの、例年9月に行われていた鈴木杯は延期を決定。その他地域での試合も次々と中止となり、剣士達も我慢の時期を過ごした。
 日々の稽古でも面にフェイスシールドを装着し、マスクも着用。手探りでの活動となり、モチベーションの維持が難しい中、大きな決断が下された。鈴木杯の実施はクラブ活動もない小学生剣士にとって、目標設定の場として大きな意味を持つ。「次代を担う子どもたちに、躍動の場を」と関係者らが力を結集したことで、今年最初で最後の大会が幕を開けた。



【日々の鍛錬 発揮する場所に】



 感染の第三波が列島を襲っていることも手伝い、感染対策には細心の注意が払われた。会場では審判員、役員、選手、観覧者の全てがマスクを着用。参加者には検温結果等を記載した確認票の提出を義務付けるなど、徹底した対策が取られた。
 これまでとは趣の異なる大会風景ではあったが、剣士たちは久しぶりの試合を満喫している様子だった。
 本来は、個人戦のみ行われる鈴木杯だが、春の市民剣道大会が中止になったことを踏まえ、今回は団体戦も実施。今年最初で最後の試合を、それぞれの剣士は様々な思いを込めて竹刀を振るった。観覧に訪れていた小学6年生の保護者は「1年生から剣道を始め、小学生最後の年に稽古の成果を発揮する場所がなく不憫だった。勝敗は別としてこれまで競い合ってきたライバルとも最後に試合ができたことが何よりも嬉しかった」と充実感を漂わせていた。
 また、剣道を始めてから初めての試合に臨んだ男子児童は「負けてしまったけど、いつもの練習とは違って楽しかった。来年は勝ちたい」と抱負を述べた。
 なくなって初めて分かる喜びがある。練習できる喜び、試合できる喜びを痛感した剣士たちは、また強くなるはずだ。コロナ禍の試練は、私たちの社会が一つ上の舞台に上がるための準備運動なんだと、剣士たちのこの日の躍動が物語っていた。