37年目の金字塔~東高ボート部 男子ダブルスカルで全国制覇

37年目の金字塔~東高ボート部 男子ダブルスカルで全国制覇

投稿日時:2020年10月23日

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充実感を漂わせる倉内さん(左)と永井さん
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ゴールに向かって力を振り絞る二人

 大阪府立漕艇センター(大阪府高石市)で9月17日~20日、全国高等学校ボート選手権特別大会が行われた。コロナ禍によって中止になったインターハイの代替で開催されたこの大会で、東舞鶴高ボート部からエントリーした倉内洋輝さん(3年)と永井大地さん(3年)が、男子ダブルスカルで優勝。創部初めてとなる快挙達成に、同校はじめ関係者は喜びに沸き立っている。



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 これまで幾度となく好成績を収め、名実ともにボート競技の名門校である同校。
 とは言え全国大会での優勝経験はこれまでになく、コロナに揺れた大会での快挙達成に、関係者の喜びもひとしおだった。
 7月に開催予定だったインターハイは、コロナ禍の影響で中止に。その決定を受けて、同部所属の3年生は6月に部活動から引退した。中学でバスケ部だった倉内さんは、ささやかな好奇心から。ボート部だった兄の影響を受けたという永井さんは、憧れの部活動に。スタートラインでの心境はそれぞれ違ったが、共に切磋琢磨し練習に励んできた。
 しかし、折角つかんだインターハイの切符は手離すことになった。不完全燃焼のままでの引退となったが、「悔しいけど受け止めるしかなかった」と倉内さん。3年生を送り出す引退レースが同部だけで行われ、「やり切った」と気持ちの区切りはついた頃、同部顧問の竹本愛太教諭から「代替大会があるかもしれない」と聞かされた。7月中旬頃のことだ。いったん火を消した部活動への情熱だったが、再点火は早かった。
 「絶対に、やってやる」
コロナに揺れた猛暑の夏、二人の猛練習が再び始まった。



【猛練習で日本一 ボート部一丸が大きな力に】



 二人の出場するダブルスカルは、二人乗り距離1000mで争われる。二人の息をいかに合わせられるかが重要で、どちらかが極端に早くても推進力が生れるとは限らない。
 「本当にウマが合うんです」と永井さんが話す通り、二人は練習以外でも常に一緒にいることが多いという。 大会を迎えた日、猛練習を乗り越えて絆を強めた二人は、これまでにないコンディションの良さを感じていた。また、寄せ書きを託してくれた後輩たち、入部以来ずっと支えてくれた竹本顧問の存在が、見えない力で背中を押してくれるように思っていた。
 順調に勝ち進み、迎えた20日の決勝戦。相手は全国大会の常連で名門の呼び声高い瀬田工業高(滋賀県)。
 ビッグネームだが、気後れすることはなかった。「ここまで来たら勝つしかない」勝利に向けた熱い闘志とは裏腹に、心は落ち着いていた。
 結果は0.44秒差の勝利。薄氷を踏むような僅差だったが、ゴールの瞬間、二人は勝利を確信したという。
「ずっと支えてくれた竹本先生を日本一の顧問に出来たことがうれしい」と二人は師弟愛を溢れさせていた。
 最高のフィナーレを迎えた二人のボート部生活。倉内さんが進学してボートを続けると言う一方で、永井さんはボートを引退し、かねてからの夢だったトレーナーを目指していくという。
 来春からはそれぞれの道を歩み始める二人だが、共に努力しつかんだ栄冠が、二人の未来を明るく照らし続けるだろう。