危機に立ち向かう勇気を~エプロンで飲食店を元気づける取り組み

危機に立ち向かう勇気を~エプロンで飲食店を元気づける取り組み

投稿日時:2020年5月29日

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エプロンを手にする山下さん
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エプロンを身につける高橋さん

 洋服販売店のミトマン(引土、山下洋平代表)が、自社オリジナルで製作したエプロンを飲食店に無償で配布している。コロナ禍で傷ついた経営者らを元気づけようとする取り組みを追った。



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 山下さん(45)が「スマイルエプロンプロジェクト」と名づけた取組みは、1カ月前に始まった。
 感染拡大が広がり始めた当初に限定的だと感じていた影響は、「緊急事態宣言発出以降に目に見えて変わってきた」と山下さんは振り返る。自身の経営する店舗ではそれほどの影響は感じなかったが、とりわけ飲食店の状況を見聞きするにつけ、他人事とは思えなかったという。「コロナ自粛の中で孤独を感じながらも頑張るしかない経営者。同じ『待ち』の商売をする身として、不安な気持ちは痛いほど分かる」と山下さんは、何か自分に出来ることはないだろうかと考えるようになった。
 そんな中で思いついたのが、オリジナルのエプロンのプレゼントだった。エプロンの素材は、同社が主力として扱うデニム生地。しっかりと縫製したエプロンには、スマイルの絵柄に舞鶴のMをあしらったロゴマークを、特殊なインクを使い一枚ずつ手描きでペイントした。
 大学卒業後に大阪の服飾メーカーで勤務し、27歳で帰鶴した山下さん。以来、「一人でも多くお洒落な人を増やして、活気のあるまちの実現に寄与したい」とまい進してきた。エプロンに託した思いは、そんな日々の集大成でもあった。



【自粛乗り越え 反転攻勢へ】



 これまでに山下さんがエプロンを届けたのは、15店舗になった。業務の合間に取り組む作業で、大量生産というわけにはいかない。
 「この先どうなるのだろうかという、自社の行く末に対する不安もぬぐえない」と山下さん。しかし、エプロンを作っている間は不安な気持ちを忘れることもできるといい、「喜んでいただけることで、こっちも元気をもらえるし、前を向ける」と笑顔を見せる。
 そんな思いやりの心は、確実に「危機に立ち向かう勇気」の花を咲かせ始めている。
 女布で居酒屋を経営する高橋和也さん(37)もエプロンをもらった一人だ。高橋さんの経営する店も、コロナの影響を大きく受けている。ランチ営業を充実させたり、テイクアウトを展開したりと、「やれることは何でもやる」心意気で努力しているが、5月の売り上げは前年対比で7割減と危機的状況は否めない。
 そんな中で届けられたエプロンに、気持ちは奮い立った。高橋さんは、「先行きが見えず不安ばかりでしたが、スマイルエプロンをつけてお客様を少しでも笑顔にできるように、私自身が笑顔で頑張ろうと思いました」と力強く話した。
 山下さんは、「求められる限り、まだまだエプロンを届けたい」と話し、希望者を募っている。希望する人は店舗名などを記載しメール(info@mitoman.com)で連絡を。