職人技で社会奉仕~一天張 西脇さん 老人ホームで仮設寿司店

職人技で社会奉仕~一天張 西脇さん 老人ホームで仮設寿司店

投稿日時:2019年11月26日

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鮮やかな手さばきで寿司を握る西脇さん
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握りたての寿司をじっくり味わう入居者

 特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」=布敷=でこのほど、「一天張お寿司パーティー」が開かれ、寿司割烹「一天張」(西脇茂樹店主)=伊佐津=の寿司が振る舞われた。施設入居者らは握りたての寿司をゆっくりと味わい、笑顔の絶えない楽しい時間を満喫していた。



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 毎年この時期に行われている「一天張お寿司パーティー」は今回で13回目。西脇さん自らが店の定休日に職人らと同施設を訪れ入居者の目の前で寿司を握る。恒例の行事となっており入居者らはこの日を楽しみに待っているという。
 かつて両親が福祉施設を利用していた経験から西脇さんは、施設の暮らしの中での胸踊るイベントになればとの思いで、この催しをはじめた。以来長年に渡って工夫を重ね、特別な一日の演出に努めている。
 用意された寿司には高齢者への細やかな配慮が行きとどいており、細巻きと巻き寿司の海苔には噛み切りやすいよう「焼き海苔」が使われている。魚は身が柔らかく食べやすいものを用意。「かんぱち」「鯛」など比較的身の締まったものは前日に仕入れ1日寝かせることでより柔らかくし食べやすくしているという。「まぐろ」については筋のない赤身の部分だけを使うようにしている。
 この日はこのほかに「サーモン」「かに」の合計五貫が一つの皿に見た目も鮮やかに並べられ、別の皿に細巻きと巻き寿司が2つずつ乗せられた。これを入居者、施設職員ら80人分用意した。添えられている味噌汁には施設内の畑で採れたカブとネギが使われており、味噌は手作りで、2月に仕込み熟成させたものを毎年「お寿司パーティー」に合わせて味噌開きし披露しているという。
 懐かしい音楽が流れる会場には外食に出かけた気分になれるようにと「一天張」の暖簾が掛けられ、使われる割りばしと醤油を入れる小皿も店のもの。ケアマネジメント室長の南陽子さんは「実際のお寿司屋さんにいる気分だと皆さんに大変好評です。本当にありがたいです」と笑顔に感謝の気持ちを滲ませた。
 入居者らは「お寿司が大好きなので毎年楽しみにしている。今日が待ち遠しかった」「とても美味しい。何個でも食べられる」「美味しいのでたくさん食べた。お腹がいっぱいになった」と満足した様子で握りたての寿司を味わった。80人分を握り終えた西脇さんは休む間もなく入居者らに「たくさん食べてください。おかわりもありますよ」と優しく語りかけ各テーブルを回っていた。
 西脇さんは「皆さんに毎年楽しみにしてもらっています。嬉しいですね。これからもできる限り、続けていけるよう私も頑張らないといけませんね」と静かに微笑んだ。