神崎の振興 見守る穴観音~2年前から参拝者が10倍に増加

神崎の振興 見守る穴観音~2年前から参拝者が10倍に増加

投稿日時:2019年9月20日

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熱心に御詠歌をあげる参拝者たち
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毎月1回は参拝するという谷口さん夫婦
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ろうそくの火が灯る神秘的な空間に穴観音は祀られている

 東神崎の穴観音で14日、4月と9月の年2回行われる大祭が執り行われ、多くの参拝客でにぎわった。ここ数年地元住民による整備が進められ、かつての賑わいを取り戻しつつある穴観音。今年は、2年前に比べて約10倍となる300人の参拝客が訪れた。



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 古代に神がよりついて開かれたという神崎の地で、古くから信仰を集める「穴観世音大菩薩(穴観音)」がパワースポットとして注目を集めている。
 その昔、病のために盲目となった母親の枕元に観音様が現れ、娘とともに探し当てたという伝承が残る。満願の日、再び目が見えるようになったという言い伝えが長年信じられ、特に女性に因んでの霊験が広められてきた。
 この日、夫婦で参拝に訪れていた谷口隆脩[たかのぶ]さん(80)と幸子さん(74)は、10年前から例祭のある毎月14日の参拝を欠かさないという。習慣となったきっかけは孫の誕生。幸子さんは母親に「ここに参ると願いをかなえてもらえる」と常日頃聞かされていた。隆脩さんは、「胃がんを患ったが、手術後薬も飲まずに調子が戻った」と話し、「毎月の習慣が気持ちに張りを与えてくれる」と二人は笑顔を見せた。



【信仰の地の復活で 地区の振興を】



 「幼少期には住民も多く、この場所も賑わっていた」と東神崎区長・の岡本郁夫さん(67)は昔を振り返る。2017年に引き受けた副区長の時、大祭のあまりに寂しい現状に我が目を疑った。
 参拝客は28人。150人分用意したふるまいの饅頭が山のように残り、このままではだめだという思いが沸き起こった。
 その日を経て、岡本さんは様々な対策を次々に実行した。「賑わいを取り戻す」ための施策は、参道脇に鬱蒼と茂る雑木林の伐採や、駐車場の整備、インターネットによる情報発信など多岐にわたった。その結果、昨年の大祭では5倍。今回の大祭では10倍の参拝客を集めた。
 高まりを見せるのは地元の評価だけではない。5月には、一般社団法人クールジャパン協議会主催の「クールジャパンアワード2019」に、「穴観音と由良川橋梁を走る列車」が選出されたのだ。全国からの応募307点のうち、選ばれた53点のうちの一つという快挙だ。
 「この地には妙見の滝という素晴らしい場所もある。もちろん美しい海もある。忙しい日常を離れて、癒しを求めに来てほしい。民泊も始まるし、多くの人が集まる魅力は大いにあると確信している」と岡本さんは力強く話した。
 動き出した神崎地区振興の物語。豊かなその行方に心躍らせ期待したい。