託された 進水記念絵葉書

託された 進水記念絵葉書

投稿日時:2018年9月4日

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展示の前に立つ蒲田さん
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展示した進水記念絵葉書

 溝尻田口在住の蒲田忠夫さん(81)が25日、地区の地蔵盆で舞鶴海軍工廠時代の進水記念絵葉書12点を展示した。蒲田さんは計36枚の記念絵葉書と7枚の進水式観覧券を所有しており「多くの市民の目に触れてもらい、舞鶴の歴史を知ってほしい」と話している。



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 「進水記念絵葉書」は、造船所が新造船舶の進水式で記念に配布する絵葉書。デザイン性の高いものや、史料価値の高いものも多い。欧米から普及した慣行で、日本では明治39年から始まり、現在も続いている。
 舞鶴海軍工廠では明治39年に駆逐艦「追風」(おいて)が建造されて以降、終戦までに85艦を建造。同時に、進水式ごとに艦にちなんだ記念葉書が配布された。
 蒲田さんの所有する記念絵葉書は全て昭和60年8月に、差出人不明で1通の手紙とともに送られてきたもの。蒲田さんは約40年間、日立造船舞鶴工場(現・ジャパンマリンユナイテッド)に勤務しており、手紙の内容から、かつての先輩(海軍工廠に長年勤務)だと推測していたが、数年後に亡くなり確証を得ることができなかった。
 所有してから33年が経ち、託された絵葉書の存在を知ってもらおうと展示会を企画した。
 子どもたちの集まる地蔵盆に合わせ、地区の貸し倉庫を活用し展示。大正15年進水の「第31号駆逐艦」(菊月)や、昭和2年進水の「第35号駆逐艦」(吹雪)、昭和12年進水の駆逐艦「霰」などの絵葉書と進水式の観覧券が並んだ。また、溝尻田口の歴史を写真付きで紹介したコーナーや、手塚治虫から送られた直筆キャラクターとサイン付きの葉書なども展示され、訪れた住民たちが見入っていた。
 蒲田さんは「造船業に長く携わった自分を信じて託してくれたと思う。軍国だった頃の日本の一面や、舞鶴海軍工廠の歴史を知る一助になると思う。今後の保管については寄贈などを考えている」と話した。
 郷土資料館の学芸員はこの絵葉書について「市が所蔵していないものもあり、舞鶴の歴史を知るうえで大変貴重。特に観覧券は希少価値も高く、保存状態もよい」と関心を寄せている。
 興味のある方は TEL:0773・63・0602 蒲田さん。
(井上 務)