舞鶴に 春を運んで 45年

舞鶴に 春を運んで 45年

投稿日時:2018年4月6日

1346abf03fab6cc10b12838cd05da05d
「元気なうちは続けたい」と話す松下さん
19738bb1143cbcb46c963089b15ad3c7
客の求める植木を一緒に探す松下さん
aef20c64cad99e45c46c282a101f6f03
境内には植木がずらりと並ぶ

 毎年春が近づくと、浜の白糸浜神社(坂根章宮司)に季節の植木がずらりと並ぶ。期間中、境内には一大植木市場が広がり多くの市民でにぎわっている。松下植木の松下昌三さん(72)は、45年に渡り同神社で植木の行商を営んできた。「昔と変わらず多くの方が来てくれるおかげで今までやってこれた。舞鶴は本当によい所」と当地に特別の思いを寄せる。静岡から春を運び続けてきた松下さんを取材した。



*     *     *     *



【1000種、1000本ずらり 市民らにぎわい】



 静岡県浜松市在住の松下さんが同神社で植木の販売を始めたのは昭和45年。植木の同業者が「舞鶴はよい町だ」と小耳にはさんだ事がきっかけだった。当時の神主の世話になり販売を始めた。
 「どこの馬の骨とも分からない者に、親切に場所を提供してくれた。本当にうれしかった」と当時を振り返る。
 販売期間は春のお彼岸頃から4月下旬まで。秋は9月いっぱい。
 「売れる売れない関係なく。とにかく場がにぎやかでないと、お客様は足を運ばない」とこだわりを見せる松下さん。
 取り扱う植木は約100種類。1000本を超える植木が、境内の半分ほどのスペースに所せましと並び「植木市場」が完成する。
 植木の移動はクレーン付きの8トントラック。苗の荷造りなども全て1人の作業。静岡から10日間かけて9往復し、植木を運び準備をする。
 「質の高い植木が手頃な値段で手に入る」と、市内はもちろん、若狭方面や宮津、綾部、福知山、丹波篠山、京都市、他県からも噂を聞きつけ足を運ぶ。大きなものは予約し、トラックで買いに来る客も珍しくない。そのほとんどが口コミから広がった客という。
 3月28日も常連客や神社への参拝客が何人か訪れていた。ミカン、ビワ、柿などに興味を持つ客や、盆栽やツツジ、モミジなどに関心を示す客がそれぞれ興味深く眺めていいた。5mを超えるシダレザクラやエンジュの木などはすでに売約済。半月で相当数が売れたという。
 「昔のように松など手入れが必要なものから、今は自然の木がよろこばれている。でも昨年売れたものが、今年売れるとは限らない。実際に来てみないと。それに、対応や値段が悪ければ再度来てくれません。でたらめな事はできない」と松下さん。訪れる客には「植え方」や「水やり」「枝の切り時」「名称の由来」「栽培の悩み」など、長年の経験に裏付けされた知識で丁寧に説明する。
 依頼があれば、客の庭へ植えるために小型のユンボも備えている。客の要望で沖縄や韓国に柿を送った事もあるという。「石」を置いてほしいという要望で置いた所、飛ぶように売れたのでその後ずっと石が並ぶようになった。
 45年に渡り当地に春を運んできた松下さん。
 「他の地はよく知らないけど、舞鶴の皆さんのおかげでやってこれた。本当にありがたい。元気なうちはずっと続けていきたい」と笑顔で話した。