「街に文化を  心に豊かさを」画廊ギャラリーサンムーン21年の歴史に幕

「街に文化を 心に豊かさを」画廊ギャラリーサンムーン21年の歴史に幕

投稿日時:2018年2月16日

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芸術好きの憩いの場を提供してきた佐藤さん
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最後の作品展「ウェルフェア展」は20日まで開催

 三条通りの画廊「ギャラリーサンムーン」が、今月20日で閉廊する。「街に文化を、心に豊かさを」を理念に「まちの中の画廊」として、21年間にわたり質の高い芸術作品に触れ合える場を開いてきた。オーナーの佐藤保明さん(69)は「多くの方に支えて頂いたからここまでこれた。画廊はこれで終わるが、舞鶴に芸術の灯がなくならないことを願います」と話している。 (井上 務)



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 佐藤さんは20代半ばで世界一周の一人旅に出かけた。多くの国々を訪れる中、各国の美術館に自然に足が向いた。「自分にとって心から癒される場所が美術館だった」と芸術との出会いを話した。
 帰国後、地元舞鶴でも芸術鑑賞が出来る場をという思いが強くなった。
 兄が経営する酒販売店の仕事が忙しくなり、それ以降は絵から遠ざかっていたが、仕事と家庭が落ち着き独立できる環境が整ったため、美術の仕事を始める決心をした。
 画廊を始めるにあたり、民間の国際交流団体で知り合ったヨーロッパの画廊経営者や美術館員を、イタリアやフランス、スペインまで訪れ、意見を交わし経営の参考にした。
 舞鶴出身で、東京・銀座で画廊を経営していた故・佐谷和彦氏にアドバイスを受けた時は「1年もつのか」と心配されたという。
 JR東舞鶴駅近くの三条朝日に事業所だった建物を借り受け改築した。平成9年、48歳の時に脱サラし「ギャラリーサンムーン」をオープンした。



【開催回数全584回 芸術好きの集う場所に】



 第1回は親・子・孫の三代で日本の美を集大成した上村松園・松篁・淳之各氏の展示。その後、シャガール、竹久夢二、ピカソ、藤田嗣治といった国内外の一流画家から、陶芸、風刺画、和紙、竹細工など国や技法、年代などジャンルにこだわらないスタンスで芸術作品展を開催してきた。
 また、作品の展示だけでなく、作家の来場や音楽会、講演会のほか、東日本大震災後はチャリティーを開くなど、583回にわたり開催してきた。
 「画廊のなかで様々な人たちが集い、多くの交流が生まれた。“芸術が好きな人たちの出会いの場”はこの画廊のもう一つの顔でした」と振り返る。
 来観者の減少と、経営の厳しさから今年2月で閉業を決意。
 「経営的にはずっと前から厳しかった。ここまでやれたのは、皆さんに精神的に支えてもらったから。舞鶴に芸術文化が広まることを願い今までやってきた。文化の灯が今後も広がってくれたらと思う」と話した。
 584回目。最後の作品展となる「ウェルフェア展」が20日まで開かれている。今まで展示してきた作品の中から佐藤さんお気に入りの作品約100点が並ぶ。
 また、18日は「昼下がりのバロックコンサート 志賀道弥&木寺和美」が開催される。
[お問い合わせ]TEL:0773-63-4858 佐藤さん。



〈記者の独り言〉



  「ウェルフェア展」はもともと「フェアウェル展」(さよなら展)だったが、綴りを間違えたと佐藤さんは話す。ウェルフェアは「福祉」「幸福」「繁栄」と言うう意味。「さよならじゃない。それもいいですね」と佐藤さんはいつもの笑顔で笑っていた。21年間本当にお疲れさまでした。
(井上 務)