街にみなぎる  シルバーパワー

街にみなぎる シルバーパワー

投稿日時:2017年11月10日

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キッチンの清掃をする会員
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高齢者の介助をする会員
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「充実しています」と話す梅坂さん夫婦

溝尻の「シルバー人材センター」が、来年で創立30年を迎える。高齢者に働く機会を提供し、生きがいと地域の発展に貢献してきた同センターの今を取材した。

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【会員の高齢化や仕事内容の多様化】
 同センターは昭和63年5月に創立。会員制で、健康で働く意欲があれば、60歳以上なら誰もが会員になれる。年会費は3500円(夫婦の入会は2人で6000円)。
 会員は自らの経験や技能を生かした仕事の紹介を受けることが出来る。仕事は同センターが官公庁、民間企業、家庭などから受注し、各会員に紹介する。
 創立から30年。社会の認知度が上がりセンターの活動が身近になったことや、高齢者の増加と健康寿命の延伸などを背景に会員数は増加した。
 現在の会員数は806人(男525人、女 281人)で、創立年度の登録会員数357人(男238人、女119人)に比べ30年で3倍以上に増加。契約件数・金額も約12倍となり昨年度は3億6千万円の実績となっている。
 一方、60歳から64歳までの“若手会員”は減少。設立時の割合が全体の27%に対し、平成28年は4.9%であり5分の1にまで減少している。
 総務課の上羽小百合さんは「平成25年に高年齢者の雇用安定法の改正が施行され、60歳以上の再雇用が義務化されたことが大きい。会員の高齢化が起こっている」と話す。
 「今後高齢化で今までできた仕事ができなくなってくる場合が出てくる。請負う仕事の内容を変えていく必要がある。また、事務系だった人が大工や剪定などの仕事は難しく、出来る仕事が絞られる。どの会員も就業できるように仕事の確保が必要です」と今後の課題を述べた。
 しかし、センターの強みは、受注者側と会員の希望が合えば、基本的にはどんな種類の仕事も請け負う事ができる所にある。
 「どこに頼むか分からない方が、とりあえずシルバーに聞いてみる、と連絡する方もいます。自分では難しいが、専門のプロに頼むほどではないと考える方の依頼も多い」と上羽さん。
 家庭と専門の間というポジションで新規の仕事を開拓してきた結果、発注側の依頼の内容も変わってきた。公共施設の除草や清掃などの外作業のほか、家庭教師や絵画教室、子どもの世話やイベントでの託児など様々な依頼を受けるようになってきたという。

【センターは人生大学】
 梅坂榮一さん(71)は、妻の博子さん(69)を連れ42年振りにUターンした。10年前に夫婦でセンターの会員に登録。榮一さんは5年間リサイクルプラザの受付をし、今はイベントの機材設置などをしている。
 「忙しい方が充実している。働く課程で知人にも会い、42年間のブランクが解消した。会員の方は人生の博士号を持った集団。センターは人生大学。お世話になって良かった」と話し充実感を漂わせている。
 子育て支援の仕事に従事する博子さんも「友人が一人もいない中、仕事を通して多くの友人ができた。子どもに元気をもらっている」と笑顔で話す。
 梅坂さん夫婦のように第2の人生をシルバーで始め、仕事とプライベートの充実が生きがいに繋がっているケースは少なくないという。
 同センターによると会員の入会動機はほぼ半数が“生きがい”と答えている。
 現在平均年齢は72歳。最高齢は92歳の男性が登録し、センターを通し何らかの交流を持っている。
 また、昨年から「交流サロン」をセンター内で開始。会員の発表会である「歌声サロン」や、竹細工、手作り小物などの展示コーナーを設け、従来の枠を超えた市民と会員の交流が始まっている。
 同センターの大石等事務局長は「会員の皆さまは生き生きしてらっしゃる方が多い。一人一人が特技を生かして、人生の生きがいに繋がるようなセンターにしていきたい」と話した。
 30年を迎え、社会の発展と高齢者の生きがいに貢献してきた同センターは、今後もますます重要な事業となっていくだろう。
(井上 務)