舞鶴高専チーム プロコンで初の企業賞

舞鶴高専チーム プロコンで初の企業賞

投稿日時:2017年10月31日

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聴覚障害者会話支援システム「TRY 聴音羽(ちょうおんぱ)」の外観
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企業賞に輝いた舞鶴高専チーム。前列右が部長の出水さん。

 山口県周南市で8、9日に開かれた「全国高等専門学校プログラミングコンテスト」(通称プロコン)で、舞鶴高専プログラマーズコミュニティ部の学生たちが開発した、聴覚障害者の会話支援システム「TRY聴音羽(ちょうおんぱ)」(=写真)が、自由部門で企業賞に輝いた。

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 全国の高専生を対象としたプロコンは、情報処理技術の向上、教員や学生の交流、学校のPRなどを目的に平成2年から開催。今年で28回目となる。
 課題部門、自由部門、競技部門の3部門があり、自由なテーマで独創的な作品を競う自由部門に挑戦した。
 部長の出水幹太さん(17)=電気情報工学科3年=が率いる7人のチームが考案した。
 アルバイト中に、聴覚障害者と接した経験を持つ出水さん。手話が出来ず、筆談などでやり取りをしたが、コミュニケーションが困難だと感じたことから、聴覚障害者と健常者が手話を用いずにスムーズに会話ができないかと仲間と開発に着手した。
 「TRY聴音羽」はスマートフォンを用いた会話支援システム。健常者が聴覚障害者に話すと、音声認識で言葉がスマートフォンの画面に表示され、聴覚障害者が文字で打って返事を返すと、音声合成によってスピーカーで相手に言葉を伝えることができる。「指向性スピーカー」と「指向性マイク」で特定の相手にだけ伝えたり、特定の範囲の音を受け取ることができる。
 また、インターフォンやサイレンの音などを検出しバイブレーションで知らせる機能などもある。
 6月に予選審査が行われ、自由部門に応募のあった61校のうち、本選に進んだ20校が競い合った。
 出水さんは「はっきり喋らないと認識しなかったり、聴覚障害の方に実際に使用してもらっていないなど、反省点はたくさんある」とした上で、「技術的には未熟な部分が多い中で、企業の方に認めてもらえるような製品が作れてうれしい」と笑顔で話した。
 顧問の井上泰仁准教授は「3年生以下のチームが賞を取るのは珍しい。企業賞を受賞したことは、彼らにとって良い経験になったと思う」と話した。
 企業賞は第一線で活躍する特定の企業から贈られる特別賞。同校は(株)ブロードリーフ(本社東京)から受賞した。同社は「聴覚障害者の方の社会参加をうながすツールで、それをスマートフォンなどで利用できることを評価した」とコメントし、東京オリンピックを見据えた外国人との翻訳システムなど様々な応用の可能性があるとした。
 同校でプロコンの受賞は平成22年以来。企業賞は初となる。
(井上 務)