引揚史実 次代へ継承を 記念館リニューアル 平和学習の拠点に 情報端末でわかりやすく展示【舞鶴】

引揚史実 次代へ継承を 記念館リニューアル 平和学習の拠点に 情報端末でわかりやすく展示【舞鶴】

投稿日時:2015年10月2日

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市が改修を進めてきた平の舞鶴引揚記念館が9月28日、リニューアルオープンした。1988年の開館から大改修は初めて。所蔵資料の世界記憶遺産の登録申請に合わせ、戦争を知らない世代に史実を伝えるため、展示方法を映像や情報端末などでわかりやすくするなど工夫をこらした。中学生たちが歴史を継承する決意を述べた。(青木信明)
 引揚体験者が記念館の建設を要望し、体験者たちによる募金の寄贈を受け建設された。2012年に市直営となったが、抑留体験者の平均年齢が90歳を超え、来館者数の減少もあり、記憶遺産の登録を見据えた改修を、有識者による検討委員会から提言を受け、3億7000万円をかけ第1期のリニューアルをした。
 所蔵資料1万2000点の内、改修前の約800点より多い約1500点を展示。実物資料は従来450点だったが、見やすくするため約400点に絞った。「苦境の記憶」「帰還そして再会」「平和への祈り」の3ゾーンで展示を構成。旧ソ連の国営ラジオ放送から抑留者の安否情報を聞き取った坂井仁一郎さんの資料が初めて展示されたほか、舞鶴市民のもてなしなども紹介されている。
 タッチパネル式の情報端末を6カ所に設置。展示内容が分かりやすい言葉で解説され、クイズで学べるようにもした。展示には物語性を込め、共感しやすくなっている。シベリアや中央アジアなどにあった収容所と舞鶴の位置を体感できるよう、入口の床に地図を配した。
 式典で多々見良三市長は「ここ舞鶴から世界に平和の尊さを訴えていきたい」とあいさつ。続いて若浦中学校生徒がハンドベル演奏をし、生徒会代表の3年畑山純慶(あつよし)君が「戦争の歴史を決して忘れず、若い世代が責任をもって継承していくことを決意します」とメッセージを読み上げた。関係者らがテープカットをした。
 抑留体験者の原田二郎さん(90)=綾部市=は「見違えるような立派な記念館に生まれ変わり感慨無量です。悲惨な戦争はあってはならないと若い人たちに感じてほしい」と来館者に体験を語っていた。
 来館した大浦小学校6年の粟野詩可(うたか)さん(12)は「展示室が明るく見やすくなり、解説もわかりやすいです。これからも引き揚げを勉強したい」、中島優子さん(56)=森=は「地図を見てこんな遠いところまで連れて行かれたことがわかった」と話していた。
 記憶遺産登録の可否は、10月4日からアラブ首長国連邦で始まるユネスコ諮問委員会で決まる。
 記念館は入館料300円、大学生以下150円。毎月第3木曜は休み。【問い合わせ】電話68・0836、引揚記念館。

記念事業を実施

 リニューアルオープンに関連した記念事業や観光事業などを実施している。記念館学芸員などによるギャラリートークは10月~12月の毎週日曜日午前11時から。海軍ゆかりの港めぐり遊覧船の特別コースとして、10月10日午後2時から引揚桟橋を望むコースで運行する。記念館と桟橋のシャトルバスを10月~11月の土日・祝日に運行する。【問い合わせ】電話66・1024、市観光商業課。