野原の漁師 「ノリ養殖」に成功

野原の漁師 「ノリ養殖」に成功

投稿日時:2021年4月2日

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商品化した「舞鶴海苔」を手にする岩嵜さん(左)と村上さん=市提供=

 野原の漁業者がこのほど、日本海側では珍しい「ノリ養殖」に成功した。新型コロナウイルス感染症がこれまでの漁業や観光業に影響をおよぼす中、冬場の新しい収入源として期待が高まっている。
 「ノリ養殖」に成功したのは村上宗一さん(73)と岩嵜弥太郎さん(63)。
 漁業だけでなく海水浴客や釣り客を相手にした観光業が営まれてきた野原地区だが、昨年はコロナ禍の影響を受け、民宿や渡船業を営む岩嵜さんは宿泊客の受け入れを取り止め、村上さんもこれまで行ってきたヌタウナギの輸出ができなくなった。
 厳しい状況の中2人は独自で人脈をたどり、ノリ養殖が盛んな兵庫県淡路島や明石市など瀬戸内海の漁業者から技術指導の協力を得て、昨年11月から養殖を始めた。野原沖の海上にノリの種(胞子)をつけた網(幅1.8m×長さ20m)を設置。波の荒い日本海側では、ノリの種付けも密度を濃くし、また潮の干満の差が小さいため、1日3時間ほど人の手で網を揚げる必要があるなど、瀬戸内海とは異なる作業が求められた。毎朝、網揚げを行うなど苦心の結果、ノリを育て上げることに成功。2月には刈り取りを行った。乾燥から袋詰め作業までを自分たちでこなし、販売は市内企業に委託し出荷にこぎつけた。
 日本海側でのノリ養殖は、京丹後や野原で50年前に行われた事例はあるが続かず、野原でも2年で取り止められており、今回の成功事例が唯一のものと言われている。
 ノリ養殖は、漁業や観光の閑散期となる11月から、ワカメの収穫期となる3月中旬までの間を、切れ目なくつなぐ事業として有望で、冬場の安定した収入源が期待できるという。
 村上さんと岩嵜さんは、「ノリ養殖が若い世代の就業のきっかけとなり、後継者育成につながれば嬉しい」と話している。
 2人が育てた養殖ノリは「舞鶴海苔」と銘打って「ざぶとんのり」「てほぐし」「焼きのり」「パリパリ海苔」の4種を販売中。現在、市内の三ツ丸ストアー余内店、舞鶴かね和、京丹波町の道の駅「京丹波味夢の里」の3ヵ所で取り扱っている。今後、順次取り扱い店舗を増やしていくとしている。商品の問い合わせは、販売会社「MASA」 TEL:0773・64・6888まで。