地方創生の担い手たれ 地域紙39社 全国から集う

地方創生の担い手たれ 地域紙39社 全国から集う

投稿日時:2017年6月23日

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第15回「全国地域紙交流会in綾部」参加社(者)一覧(図=あやべ市民新聞社提供)
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アンケート結果の分析を発表する松本社長

 市町村地域など狭い地域で発行する地域紙が京都府綾部市に集まり、17、18両日、「第15回全国地域紙交流会in綾部」が開かれた。参加したのは、北海道から沖縄県までの全国津々浦々から39社。他には大学研究者や行政関係者など多彩な顔ぶれが集い、様々なテーマで議論を交わした。
 「地域紙」と呼ばれる新聞が、全国に約200社存在する。規模や業態は様々だが、各社これまで地域の情報インフラを担ってきた。
活字離れが叫ばれて久しい昨今、日本新聞協会の調べでは、同協会加盟社の総発行部数は、ピーク時の約8割に減少しているという。
全国に数多ある地域紙も例外ではなく、多くの課題をそれぞれ抱える中、「地域紙の未来を考えよう」という呼びかけに応じた各社が集まり、交流会は過去最大規模での開催となった。
 交流会は日本地域紙協議会が主催し、主管を綾部市のあやべ市民新聞社が担った。近隣新聞社の舞鶴市民新聞社や丹波新聞社、両丹日日新聞社、北近畿経済新聞社などが協力した。
 主催者代表あいさつに立った日本地域紙協議会会長の新保(しんぽ)力・市民タイムス代表取締役(長野県)は、「地域紙は活力ある地域づくりに貢献してきたその町の誇れるブランド。真の地方創生のために、地域紙が地域住民にもっとも身近で、必要とされるメディアになると信じている」と力強く述べた。
 初日の事例発表に先立って舞鶴市民新聞社の松本泰社長が、事前に調査したアンケート結果をもとに、同志社大学社会学部メディア学科の伊藤高史教授の協力で作成したレポートを発表。各社が直面する厳しい現状の中、強みを見出し磨き上げることで困難な局面は必ず打破できると訴えた。
 龍谷大学社会学部コミュニティマネジメント学科の畑仲哲雄准教授らの提言に続いて行われた講演では、元綾部市長の四方八州男氏が「地域を紡ぐ~新聞のある町~」のテーマで熱弁を振るった。
 2日目には自由討論が行われ、各社の抱える課題や解決方法について意見が交わされた。その中で、取材などを連携して行うネットワーク作りや、共同での「全国地酒コンテスト」の開催など、多彩な議題で話し合われた。
《以下、四方氏の寄稿を抜粋して掲載する》
 世はすべてがインターネットで済ませることができるようになり、いわゆる「紙離れ」が進み、全国紙(朝日、毎日、読売など)や県紙(京都新聞や神戸新聞など)と共に地域紙の経営も決して楽ではない。個人情報保護ということで隣のことにも目をつむり、自治会のような地域のコミュニティにも関心を持たない、そんな風潮があることも事実である。だからこそ、地域紙は今必要なのだ。日本電産のコマーシャルではないが、「もしも地域紙がなかったら」ということに頭を巡らせてみよう。手作りのイベント、同窓会の様子や俳句の発表、絵画展のお知らせから、行方不明になった猫や犬を探してといったことまで、そんな身近な情報を伝えてくれる地域紙がなかったら、きっと乾いた町になってしまうだろう。同時に、地域を大きく変革する役割が地域紙にあることも論を待たない。
 そういう使命をもった地域紙に直接携わる人々には「自分たちは地域の人と人を結んでいるんだ」「自由と民主主義、そして人権を守っているんだ」という強い自負を持ち、常に人々に寄り添う姿勢を貫いてほしいものだ。