国の登録有形文化財・神崎ホフマン窯 小型煙突1本が倒壊、保存の措置が急務に 【舞鶴のニュース】

国の登録有形文化財・神崎ホフマン窯 小型煙突1本が倒壊、保存の措置が急務に 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2002年3月19日

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国の登録有形文化財になっている西神崎の神崎煉瓦ホフマン式輪窯(りんよう)(通称・ホフマン窯)の小型煙突の1本が、このほど倒壊しているのが分かった。全部で11本あった小型煙突のうち、これで残るのは4本。主煙突にも亀裂が生じているなど、倒壊の危険さえ出てきた。れんがの町・舞鶴のシンボル的な存在だが、所有会社の倒産で競売にかけられるなどして、修復へ向けた具体策は宙に浮いたまま。保存運動に取り組む市民団体は「状況は悪化している。何とかして残したい」としている。保存の措置が急務となってきた。
 以前から斜めになっていた小型煙突の半分から先の部分が崩れ、真下のトタン屋根の小屋も半壊させた。窯がある「神崎コンクリート」の従業員は、「今月初旬ごろ突風が吹いて倒れた。近くの事務所にいたらものすごい地響きがした」という。従業員らは老朽化した煙突付近には近づかないようにしている。
 窯は明治30年(1897)に登り窯として建設、大正末期にホフマン式に改造された。だ円形で内部はトンネル状。高さ24メートルの主煙突と小型煙突を備えていた。れんがを大量に焼ける画期的な窯で、作られたれんがは旧海軍鎮守府の赤れんが倉庫建設に使われた。昭和33年ごろまで稼働していた。
 現在、ホフマン窯は全国に四基しかない。神崎のものは平成11年11月に国の有形文化財の登録を受けた。すでに小型煙突のうち6本は半倒壊し、主煙突も老朽化が目立ち補修が必要となっていた。NPO法人「赤煉瓦倶楽部舞鶴」(松井功理事長)は、その保存に向け基金を設置するなど運動に取り組んできた。
 が、同時期に神崎コンクリートの親会社が倒産し、抵当権を設定している金融機関が窯を含む土地や建物の競売を申し立てた。同団体の運動もあり一時入札は延期。その後公告したが買い受け人の申し出がなかった。そのため、最低売却価格を4496万円に変更して再び競売入札を公告。入札期間は今月(3月)27日~4月3日。
 同団体や地元住民らの熱心な運動が続き、保存への機運は高まっているが、次の所有者が決まらない状態で、その声を具体的な活動につなげることができていない。こうした中、小型煙突が倒壊し、主煙突も7カ所に大きな亀裂が入っており、補修が急務となってきた。このまま放置すれば危険で近づくことさえできなくなる。
 同倶楽部舞鶴の松井理事長は「保存を訴えてきたが、手の出しようがないことに憤りを感じる。残りの煙突もいつ倒れてもおかしくない状況かもしれない」と危機感を募らせている。市教委では、今後の対応について関係機関と協議する。