「街を元気に」の願い込め~みつる食堂のシュウマイ 計800個を無料進呈

「街を元気に」の願い込め~みつる食堂のシュウマイ 計800個を無料進呈

投稿日時:2021年2月12日

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特徴的な大粒のシュウマイ
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「シュウマイ食べて元気になってもらえたら」と矢野さん

 場所は東舞鶴駅前。旅行会社の事務所の一角で、場違いな輝きを放つ逸品がある。コロナ禍のもと、同社社長の矢野直人さんが執念で販売にこぎつけた「みつる食堂のシュウマイ」だ。
 二度目の緊急事態宣言で沈む町を元気づけるため、絶品の味を振舞おうと準備する矢野さんに話を聞いた。



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 東地区で根強い人気を誇っていた「みつる食堂」は、惜しまれながら15年前に閉店した。店の一番の売りは、「シュウマイ」。大ぶりで独特な味付けの逸品は、多くのファンに愛されてきた。
 旅行会社の職で、全国津々浦々を添乗で訪れた矢野さん(47)は、「いろんな所でおいしいものを食べたけど、ここまで惹きつけられたものはなかった」と閉店を惜しんだ一人だった。
 その熱い思いはいつしか、「あの味を再現する」という執念へと姿を変えた。コロナ禍で旅行会社の運営が厳しさを増し続ける中、没頭した試作品づくり。1万個を超えた頃に、ようやく「あの味」にたどり着いた。
 レシピ通りに作っていても、たどり着くことが出来なかった味だったが、何度もあきらめず試作を繰り返すうちに記憶の味に重なった。
 ようやくスタートラインに立つことが出来た矢野さんは、七夕の日にシュウマイの販売を開始した。



【逆境で気づいた つながりの温もり】



 「最初はどうなることかと思いました」と矢野さんは半年前を振り返る。全くの異業種への参入。「本当に買ってもらえるだろうか」と不安ばかりが育った。
 しかし販売開始後、そんな気持ちは霧散する。次々と店を訪れる馴染み客。客は客を呼び、初めて訪れる人も少なくなかった。
 また、「コロナで大変だろうと心配していた」と温かい言葉をかけてもらうこともしばしばあった。笑顔とともに伝えられる「おいしかった」という言葉は、何より心の栄養になった。先行きの見えない旅行業界。暗澹[あんたん]たる気持ちが先行することもあったが、そうした言葉で暗い気持ちは吹き飛んだ。コロナ騒動も少しずつ落ち着きを見せ始め、「GoToトラベル事業」でゆるやかではあるが需要も回復の兆しを見せつつあった。
 そんな中で訪れた第3波。再び出された緊急事態宣言で街は活気を失った。
 だが今回は動じることがなかった。シュウマイづくりで手を動かしていると、ネガティブな気持ちにはならなかった。
 そんな日々、矢野さんはとあるニュースに目を奪われた。福岡県の餃子屋が、もらい過ぎだと感じた協力金を還元しようと、無償で餃子を振る舞うというものだった。
 飲食店営業ではない矢野さんは、協力金を受け取れるわけではない。しかし、その心意気には大いに共感するところがあった。「窮地を救ってもらった街の人たちに、恩返しがしたい」という気持ちが沸き起こってきたという矢野さんは、合計800個(100袋)のシュウマイを無料で振る舞うことに決めた。
 矢野さんは、「コロナに振り回される世の中は当分続きそうですが、シュウマイを食べて少しでも元気になってもらえたらうれしい」と話している。
 シュウマイの無料進呈は、1日5袋で2月12日~3月6日までの20日間に渡って行う。※日曜休。
 場所は旅カフェ店頭で(舞鶴トラベル内/浜町4番地9)