「舞鶴学園」移転に伴い住宅タイプ児童棟 小集団で職員と生活、大人との信頼回復の芽育つ  【舞鶴のニュース】

「舞鶴学園」移転に伴い住宅タイプ児童棟 小集団で職員と生活、大人との信頼回復の芽育つ 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2002年11月15日

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泉源寺の児童養護施設「舞鶴学園」(桑原教修園長)は、昨年10月に浜から移転したのに伴って、子供たちの自立する力を養おうと、従来の集団生活の施設から小集団による住宅タイプの児童棟へと変わり、子供らと職員らが一緒に生活を作っている。小舎制は全国でも次第に導入されているが、こうした児童棟はまだ少なく、各地の施設関係者が視察に訪れている。学園の試みはまだ手探り状態というが、親から虐待を受けた子らにも笑顔が戻ってきた。
 舞鶴学園は家庭の事情で両親と離れて暮らす幼児から18歳までの子供を受け入れ、家庭復帰や自立を支援している。浜の旧学園では60人~100人が入園し、1グループ30人を作り、1部屋に2人~8人が入るという集団生活が施設の主流だった。
 近年の核家族化や親の虐待で人との関係を築けない子が増え、生活単位を小さくして個々の子をケアできる施設作りの流れが大きくなってきた。移転した同学園では、木造2階建ての住宅7棟を建設。1棟に8つの個室を備え、プライベートにも配慮している。現在は68人が1棟につき10人ずつ入所。1棟に職員2人が担当、内1人は住み込んで生活を指導している。
 子供たちは住宅を中心に生活をし、日曜日には買い物に出掛け、月1回は自分たちで献立を立てて食事を作る。1カ月の生活費も家ごとに渡され相談しながら使うなど、生活を作ることに参加している。一方、職員はこれまで以上に個々の子供たちと向き合う必要が生まれ、大人の側も試されている。
 こうした職員との生活の体験を通して、子供たちは人との関係づくりを学び、出迎えてくれる声に落ち着きを取り戻した。虐待で固い表情をしていた子も笑顔を見せるようになり、これまでできなかった友達を招くことも増えた。1つの棟では子供たちが職員の誕生日を開くなど、大人との信頼回復の芽も育っている。
 桑原園長は「虐待によって子供は同じような行動に出る愛着障害が生まれます。人との関係をどう回復していくか、その試みとしていまの児童棟を作りましたが、この是非が見えてくるのは長い積み重ねの後だと思います」と話していた。来年にはケアする職員を増やすが、現場を支援する国の体制づくりの遅れを指摘している。