情景・心情を読み解く~本社後援 第40回市民短歌大会
投稿日時:2019年10月25日

「舞鶴市民短歌大会」が8日、市南公民館=森=で開かれ、19人の参加者により市内全域から応募のあった32首の中から入賞作品が選ばれた。短歌を作る喜びや楽しさを広めるため、潮風の会(安久菊枝会長)が毎年開催しており今年で40回目を迎えた。
安久会長はあいさつで「短歌を作るためには新聞や本を読む、メモを取るなど五感を使う。楽しい時ばかりではないが短歌を作ろうという灯を明るく灯し続けることが大切」とした。
講演では「古歌より学ぶ」と題し万葉集にある恋歌をより深く解説することによって当時の恋愛心情について学んだ。
この日集まった作品は、遠き日に想いを馳せる歌から日常の風景や現代社会の様子を詠んだ歌など様々。歌評会では一句ずつゆっくりと読み上げられ参加者らは情景を思い浮かべるように静かに聞き入った。同会の役員らによってそれぞれの句が丁寧に読み解かれさらに作品の景色が広がる。時には要点を押さえたアドバイスがなされるなどレベルの高い歌評会となった。
賞状を手渡された入賞者をはじめ参加者らの表情には短歌への熱い思いが見られる。
安久会長は「みんなで仲良く楽しく作ることが一番大事。これからも41、42回と続けていきたい」と意欲をみせた。
【主な受賞者(敬称略)】
▽市長賞
『我が町に緑のポストあるといふ君に伝へむ息子の婚を』
=神谷由美子
▽舞鶴市民新聞社賞
『にごりみづ渦巻き流れる交差点ひとり言[ご]ちてる赤い点滅』
=大野翼
▽京都新聞賞
『老いたふたり真向かい座り幾年か言葉少なし朝の食卓』
=田中悦子
▽潮風賞
『あれこれと古き道具に未練もつ夫を諫[いさ]める終活宣言』
=前田京子
▽佳作
=岸田章子/安田美智子/馬場眞由美/森野礼子/桐村千栄子