鎮魂の祈り、絵に込め 香川の祖父と孫娘 シベリア抑留で2人展 引揚記念館で2月13日まで【舞鶴】

鎮魂の祈り、絵に込め 香川の祖父と孫娘 シベリア抑留で2人展 引揚記念館で2月13日まで【舞鶴】

投稿日時:2011年2月1日

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シベリア抑留をテーマに絵を描き続ける香川県さぬき市の川田一一(かずいち)さん(85)と、孫娘で美術作家の千田豊実(とよみ)さん(28)の2人展「私のシベリア 私の祖父」が、平の引揚記念館で開かれている。川田さんは石炭採掘など過酷な抑留体験を、千田さんは祖父の話や後姿から受けたイメージを表現した。15点の作品に2人は犠牲者への鎮魂の祈りを込めている。  川田さんは南満州鉄道に入社し、終戦時に奉天で武装解除され、シベリアの炭鉱町で4年間重労働を強いられた。1949年10月、舞鶴に引き揚げてきた。抑留中の炭鉱労働の影響で60歳のころ塵肺と診断され、酸素吸入器を手離すことができなくなった。  亡くなった仲間たちを絵で供養しようと、15年前、孫娘と一緒に絵画教室に通い始めた。家族にも詳しい抑留体験は話したことがなかったが、千田さんは絵筆を握る祖父から少しずつ体験を聞き、祖父が体験を元に一番最初に書き上げた絵を見てショックを受けた。  美大を卒業した千田さんはドイツ・ベルリンで作品を発表するなどし、いまはさぬき市を拠点に活動する。一昨年夏に祖父と初めて2人展を開いたが、引き揚げの地の舞鶴でも見てほしいと同記念館に作品展開催を依頼した。  川田さんは、森林伐採を強いられ帰国できない抑留者と日本に向かう渡り鳥を対照的にとらえた「帰雁」など、いずれもアクリル絵の具を油絵のように塗り重ねている。「2度と抑留や戦争を起こしてならないとの思いで描いてきた。孫が体験を絵にしてくれたことで、若い人たちも考えてくれる機会になると思う」と話す。  千田さんは祖父の記憶や故郷の瀬戸内海の変わらない風景を、時間を示す多数の点で表現した。「祖父の思いをどう表現するかを考え取り組みました。今後も祖父とともに描き、抑留や戦争を伝えていきたい」と語る。 展示は2月13日まで。

【問い合わせ】電話68・0836、同館