コロナに負けず交流を~舞鶴国際交流協会が「英語落語体験会」開催
投稿日時:2020年9月18日


コロナ禍で国際交流の現場も大きな影響を受けている。本来であれば日本中が東京五輪で沸き立ち、ウズベキスタンのホストタウンとなっている当地でも様々な国際交流の機会があったはずだが、今のところ静かな一年となっている。
そんな中、舞鶴国際交流協会(MIA)が12日、事業を開催した。
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イベントを企画開催したのは、同協会文化交流部会。
外国人参加者に、英語を使った落語への挑戦を通して、日本の伝統文化に触れてもらおうという内容だ。
当日は感染拡大防止に配慮し、同部会員7人と市内在住の外国人3人でイベントは始まった。3人はそれぞれ事前に部会員宅を訪れ、着物を着つけてもらい参加。落語家の雰囲気を身にまとい、意気揚々と初めての挑戦に乗り出した。
東舞鶴高で英語指導助手(AET)を務める米国出身のスィネス・アンドリューさん(33)は、英語での小噺に挑んだ。題目は魚釣りをテーマにした笑い話だ。
ある男が居酒屋の店先にある水たまりに釣竿を垂らしていると、店に入る客は一様に彼を憐れむ。釣れるはずのない釣りに興じる男を不憫に思い、客らは男に酒を与えて、「何か釣れたかい」と尋ねる。すると男は、「あんたで7人目だよ」と答えるという内容だ。
アンドリューさんは、その日初めて目を通した原稿を短時間で覚えて、身振り手振りを使って表情豊かに演じきった。
「やればやるほど面白くなると感じた」とアンドリューさん。鑑賞した参加者からは、「表情豊かで初めてとは思えない」などと絶賛の声が沸き起こり、いずれ何らかのイベントなどで披露してもらう機会を用意したいとの提案もあった。
他の外国人参加者もそれぞれ演壇に上がり、部会員からは2年前に落語を始めたという鈴木隆さん(56)が、有名な古典落語の「寿限無」を英語で披露した。
一ヶ月くらい練習を積んで当日に臨んだという鈴木さんは「(練習の成果を)8割くらいは出せた」と笑顔を見せた。
落語を通じた国際交流は時間こそ短かったが、笑顔があふれるひと時だった。アフターコロナに、こうした交流がさらに発展していくことを願いたい。