終の拠りどころへ~コロナ下で考える「ペットとの暮らし」

投稿日時:2021年4月27日

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静かな霊園内に住職の読経が響いた
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晴天の中しめやかに執り行われた法要祭

 25日には京都府にも3回目の緊急事態宣言が発令され、依然として私たちの暮らしに暗い影を落とす新型コロナ。しかし、その影響を受けた日々を送るのは人間だけではない。コロナ禍による空前のペットブーム到来とともに懸念される飼育放棄。声なき小さな命への大きな責任に、今こそ目を向けなければならない。



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 コロナ下における様々な影響から、生活に癒しを求めてペットを家族に迎える人が急増している。その需要の高まりは、高騰するペットの販売価格からもうかがえる。
 安易な考えで飼い始める人も多く、「思ったより世話が大変」などと無責任に飼育を放棄する飼い主も少なくはない。そんな自分本位な考え方に翻弄される小さな命。収入減などによる経済苦や身勝手な理由から、保健所へ持ち込むケースも後を絶たない。
 ペットを家族に迎えるということは、終生大切にその命と向き合い、最期まで責任を持つということ。「天国への旅立ち」を見送る日は、いつかは必ず訪れる。
 ここ10年ほどで巻き起こるペットブームに乗じて、ペット葬祭事業への新規参入者も急増。特別な法規制がなく、容易に始められることが原因と見られる。
 しかし、それとともにペット葬儀に関する高額請求や、悪徳業者によるトラブル事例も全国各地で散見されるようになった。飼い主から預かった遺骨を山中に不法投棄するなど、心無い犯行は枚挙にいとまがない。
 人生をともに彩ってくれた伴走者への思いが、無下にされることがあってはならない。



【大切な家族を弔う】



 白屋の公誠動物霊園(近藤征治郎代表=48=)で24日、春の法要祭が執り行われた。例年多くの参列者が訪れ、在りし日の姿に思いを馳せる。
 しかし昨年に続き今春も、新型コロナ感染拡大防止に配慮し無参列者での開催となった。
 まだ肌寒い2月頃から、周辺の環境整備などに着手。色とりどりの花壇で霊園を飾るなど、万全の準備でこの日を迎えた。
 本来であれば300人ほどの参列者を迎える同祭。粛々と営まれる法要の中で近藤代表は「来られなかった方々の思いが届くように気持ちを込めました」と話した。年に一度の法要に力を注ぐ同園だが、安らかな魂への願いはこの日に限ったことではない。
 ペットの葬儀から火葬、納骨サービス全般を行う同園の近藤代表は『てんまでとどけ』と題した日々のブログで、同日旅立ったペットの名前とともにこんな言葉を綴っている。「今日の日に旅立った魂が素晴らしい世界で過ごしていることをお祈りいたします」―。
 20年近くにおよぶこの見送りの記録は、365日をほぼ埋めるほどになった。そしてそれは、人とペットが心豊かにくらした日々の記憶でもある。
 死してなお生き続ける魂へと向けたそれぞれの思い。そんな家族の気持ちをのせた読経が霊園内に響き、人とペットのあるべき終着点を見た思いがした。