深刻さ増す8050問題~居場所『ぶらり』 フラットプラスで第1・3土曜に

投稿日時:2020年7月31日

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居場所づくりに奔走する山本さん

 推計61万人―。これは内閣府が2019年に発表した、40~64歳を対象に行ったひきこもり調査で明らかになった数字だ。
 これまでの調査対象は15~39歳で調査結果は推計54万人。これを64歳まで引き上げ、中高年層を対象にした調査は今回が初めて。
 この調査結果からもひきこもりの高齢化や長期化が鮮明になり、8050問題の深刻さがより浮き彫りとなった。
 国をあげて取り組むべき喫緊の課題とあって、各自治体ごとに様々なひきこもり支援策を打ち出している。しかし現状は、若年層や障害者など、対象とする範囲が限られた支援が多く、幅広い年齢層の受け皿は少ない。
 そんな中市内では、ひきこもってしまう原因の一つとして、目的や行く場所が見つからないことが大きいと考える有志ら4人が、幅広い層の受け皿となるべく居場所づくりに取り組んでいる。
 ぶらりと気軽に立ち寄れるようにと名付けた“居場所『ぶらり』”を月に2回、フラットプラス(平野屋)で開いている。障害者やひきこもりの当事者、家族、支援者などをはじめ、つながりを作る環境作りに興味のある人、関心のある一般の人まで、対象を特に定めてはいない。
 「実際はそんなもんじゃない」61万人という数字に疑問を投げかけるのは、居場所ぶらりを運営する山本裕さん(72)だ。ひきこもりの現状を長年福祉の現場で目の当たりにしてきた山本さんは、「この数字に上がってこない部分にこそ、問題が隠されている」と力を込める。またひきこもりを周りに知られたくないと隠すケースも多く、そのことが8050問題の予備軍になっていると警鐘を鳴らす。
 1年ほど前から始めた「居場所ぶらり」の運営は、福祉に携わっていた頃の仲間との夢を実現する形でボランティアとして行っている。
 はじめは全く口も開かず座っていただけの利用者が、次第に話をするようになったり、短かった滞在時間が少しずつ長くなったり、ついには山本さんよりも早く到着して待っていたこともあったという。
 この時の事を「本当に嬉しかったですよ」と振り返る山本さん。続けて「ここに来たからと言って、何か特別な事なんてしなくてもいいんです。音楽を聞いたり、ただ座っているだけでもいい。まずは、ぶらりと一歩を踏み出して欲しい」と話し、新たな利用者の掘り起こしに向けて、民生委員らに協力を呼びかけている。
 【「居場所ぶらり」はフラットプラス(平野屋123)で▽第1・第3土曜日(10時~16時)申込不要▽オセロや将棋など自由に遊べるものや好きな音楽が流せるようにとCDラジカセも置いてある▽[お問い合わせ]TEL:090・3655・8196、山本さん】