舞鶴のモノづくり発展へ~舞鶴高専退官の町田さんが模型店開業

投稿日時:2020年3月20日

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お気に入りの模型を手に笑顔の町田さん

 昨年に最後の店舗が閉店して以来、舞鶴市内から姿を消していた模型店。この春、愛好家らが待ち望んだ店舗が誕生する。店の主は、幼い頃に模型を通じてモノづくりの喜びに目覚めた町田秀和さん(57)。モノづくりによるまちづくりが、いよいよ始まろうとしている。



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 店舗の名は「舞鶴電脳工作室」。4月1日、東地区の大門二条に開店する。
 店主の町田さんは、3月末で退官する舞鶴高専の准教授。長年に渡って同校でロボコンの指導などを担当し、当地のモノづくりを牽引してきた。長年通った模型店が次々と閉店し、昨年には最後に残っていた店舗も閉店。
 その報を受けた時の気持ちを「悲しいというより、愕然としました」と町田さんは振り返る。インターネットを通じて、誰もがどこにいても簡単に、あらゆる商品を入手できる時代。利便性はこの上ないが、実際に顔を合わせて交わす情報交換には、ネットでは決して得られない価値がある。環境が変化していく中、「自分がやりたい」との思いは常にあったという。
 3年前の夏、夜の市でのロボコン展示の相談に訪れた八島商店街で、町田さんは休業中の模型店で展示しないかと持ち掛けられ、それが呼び水となり開業を決意。「好きなようにしたら」との妻の了解を得た町田さんは、学校に2年後の退官を申し出た。
 そうして始まった人生の第2部。入念な準備は整い、いよいよ幕開きの時が迫っている。



【プログラミング教室なども随時開催】



 昭和37年、町田さんは京都市左京区に生まれた。姉がひとりの二人きょうだいだった。
 町田さんが影響を受けたのは、母方の祖父と叔父だという。舞鶴海兵団に所属していたことから、幼少時には祖父から舞鶴の話をしばしば聞いた。アマチュア無線や電子工作が趣味の叔父には、モノづくりの楽しさを教えてもらった。
 幼いころから模型づくりを通じてモノづくりの喜びに目覚めた町田さんは、成長するに従いプログラミングなど興味の幅は膨らんでいった。
 選んだ進路は、舞鶴高専。15の春の決断は、町田さんのその後の人生を決定づけるものだった。
 以来、進学で舞鶴を離れることはあったが、概ね舞鶴で人生を送ってきた。その間には多くの生徒を指導し、モノづくり日本の屋台骨を支える技術者たちを輩出してきた。
 モノづくりの最前線に身を置いた数十年。今感じることは、やはりスマホ全盛の社会に対する違和感だ。
 町田さんは「実際に顔を合わせて話をすれば、より刺激となることは間違いない。互いの技術を高め合える場になれば」と意気込みを述べつつも、「誰に話しても、商売にはなりませんよと言われました」と屈託のない笑顔を見せた。
 店舗では模型の販売の他に、「街かど工作室」と題して様々な工具や設備の貸し出しを1時間200円(学生100円)という格安で提供する他、プログラミング教室なども実施するとしている。
 町田さんがそうであったように、この場所での出会いが未来の技術者が芽生える機会になれば、当地のモノづくりにも新風が吹くことだろう。