大聖寺 お焚き上げで想いを天に

大聖寺 お焚き上げで想いを天に

投稿日時:2021年4月16日

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しめやかに営まれたお焚き上げ
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護摩壇に置かれた約100通の手紙

 北吸の大聖寺(松尾眞弘住職)でこのほど、「緑のポスト」に届いた亡き人への手紙のお焚き上げが行われた。
 ポストは1970年代に、檀家だった北吸郵便局の局長が寄贈。赤色では本物と間違えるとの指摘があり、緑色に塗りかえた。
 それ以来、境内の一角に置かれていた緑のポストに転機が訪れたのは15年ほど前のこと。我が子を亡くした母が入れた手紙を見つけたことをきっかけに、松尾住職がSNSなどで投函を呼びかけるようになった。
 2019年秋からは、彼岸に合わせてお焚き上げを行うようになり、今回が4回目となった。
 この日は本堂で祈願供養が行われた後、ポスト前に設置された護摩壇で約100通の手紙が焚き上げられた。
 勢いよく燃え盛る火を前に、供養に訪れた檀信徒ら約30人は、一心にお経を唱えていた。届いた手紙の中には、秋田県内の消印が押されたものもあるなど全国各地から想いが寄せられた。
 宮津市から供養に訪れた堀久美子さん(45)は7年前に弟を、3年前に母を亡くした。母を亡くしてからは喪失感が大きく、悲しみに暮れる日々を過ごしていたが、「緑のポスト」の存在を知って手紙をしたためるようになったという。
 今では月に一度、日々の出来事などを手紙に記すようになり、この日は6か月分の手紙のお焚き上げを見守った。
 堀さんは「手紙を書くようになって心が安らぐようになった。これからも書き続けていきたい」と話した。
 同寺には手紙の投函を目的に訪れる人も多く、その際には寺務所に立ち寄る人も少なくないという。そんな折には、手紙を書くに至った経緯や事情、悲しみや苦しい胸の内などをじっくりと話してもらうこともある。
 松尾住職は「最後に『聞いてもらって少し心が晴れました』とうれしい言葉をいただくこともあります」と話し「中には繰り返し来ていただくようになる人もいます。『緑のポスト』は亡き人との繋がりだけではなく、この世での新たな縁を繋ぐものにもなったのだと思います」と充実感を漂わせていた。