逆境を推進力に~意識が変わり社会が変わる

逆境を推進力に~意識が変わり社会が変わる

投稿日時:2020年9月15日

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京都市内の専用ブースとオンラインでつないだ
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職員が利用者役と医師役になり実演した

 余部上の市聴覚言語障害者支援センターで8日、府のコロナ対策事業のひとつである「遠隔手話通訳サービス」の説明会があった。同センターの職員らが実演を披露し、参加したセンター利用者らは理解を深めた。



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 通院時などにおいて、聴覚障害者が医師などとの円滑なコミュニケーションを図るため、手話通訳者が同行するサービスがこれまで用いられてきた。
 しかしコロナ禍においては、同行者への感染拡大が懸念されることから、大幅に利用が制限されることが危惧されていた。
 そんななか府では、府内在住の聴覚障害者を対象に、6月8日より「遠隔手話通訳サービス」を開始。スマートフォンなどに専用のアプリ「J―TALK」をインストールすることで、離れた場所にある専用ブースをつないで手話通訳を受けられる仕組みを実現した。利用場面としては、医療機関の受診や各種行政窓口での手続き、新型コロナウイルス感染時の入院対応などを想定しているという。これまでには、「電話リレーサービス」という支援もあったが、これは利用者からの要望などを伝え聞いたオペレーターが本人に代わって先方に伝えるというもので、同時進行でコミュニケーションを図るものではなかった。一方で、今回の「遠隔手話通訳サービス」は画期的な仕組みで、利便性の大幅な向上が期待されている。



【新たな生活様式で広がる可能性】



 センターには、17人の利用者が集まり、スタッフからの丁寧な説明を受けた。
 実演では、京都聴覚言語障害者福祉協会(京都市中京区)と綾部市聴覚言語障害センターにオンラインでつなぎ、それぞれの場所との接続確認を行った。府下にこの2カ所が設置された手話通訳者用の専用ブースは、定められた日時内であれば事前予約の上で利用できるという。
 この日は、京都市のブースとセンターをつないだ状態で、模擬使用が披露された。
 職員は、利用者と医師の役割に分かれて実演。利用者がオンラインで通訳者と手話でのコミュニケーションを取ると、通訳者はその内容を口頭で医師に伝達。手話を理解しない医師とのコミュニケーションは、驚くほどスムーズに取られていた。
 同センターの村上菜穂子センター長は「(コロナ禍で様々な制限される中)この取り組みが利便性の向上につながることは間違いない」とし、「例えば障害者が自動車事故に遭った時など突発的な必要が生じた時にこそ、本当はこうしたサービスが力を発揮する。今回は一つのステップとして喜ばしいが、今後さらに進化していくことを期待したい」と力を込めた。
 コロナの逆境が新たな可能性を生んでいく。新しい生活様式になじんでいくことが、誰もが暮らしやすい世の中の実現につながることを期待したい。