長谷の村本さん バイオガスプラントが稼動 屎尿をメタンガスと液肥にリサイクル 自然エネルギーで自給自足実践 加佐の仲間と手作り、普及へ夢【舞鶴】

長谷の村本さん バイオガスプラントが稼動 屎尿をメタンガスと液肥にリサイクル 自然エネルギーで自給自足実践 加佐の仲間と手作り、普及へ夢【舞鶴】

投稿日時:2011年8月26日

1108261hidari
写真左=発酵分解でガスと液肥を作る筒状の発酵槽
1108262migi
写真右=バイオガスプラントの構造図(バイオガスキャラバン編著「ビニールで作るバイオガスプラント」より)

 舞鶴市岡田地区の山村の長谷に暮らし、家族で音楽活動をする村本敏(びん)さんが、自分たちの屎尿を燃料と液肥にリサイクルするバイオガスプラントを手作りした。稼動中のプラントでは屎尿の発酵分解が進みメタンガスを発生させ、青い炎を灯している。脱原発と大量のエネルギー消費社会からの転換を唱える村本さんは、口にする米と野菜は自らの手で作りながら、自然エネルギーも生み出す自給自足のシンプルな生活を実践している。  家族バンド「THE FAMILY」を結成する村本さんは、2008年に南丹市から長谷に引越した。田畑を耕しつつ小さな命の輝きや平和を歌った曲づくりをし、各地でライブ活動を続ける。3月の東日本大震災による福島第1原発事故後は、加佐の農業者たちと舞鶴ピースプロジェクトを立ち上げ、脱原発のパレードなどにも取り組む。  自給自足の暮らしを目指し、エネルギーの自然からの利用と消費低減を心がける。山に入って枯れ枝などを熱効率の優れた装置で燃やして熱源にお湯と火を作り、電気は冷蔵庫や照明など必要最小限の使用に抑える。屎尿は畑の肥料としてまいていたが、ガスなどに再生したいと20年来プランを温めてきた。  バイオガスプラントは、発酵槽に投入した家畜の糞や人糞、農産物の残物などがメタン菌などによって発酵分解され、約100日後にメタンガスを含むバイオガスと液肥を生産する。発酵槽上部のパイプラインを通ってガス貯留袋に貯めておき供給する。ガスは地方都市ガスとほぼ同じ性質で安全性が高く、排出口から取り出す液肥は無味無臭で、有機物に富み肥料効果を発揮する。  ベトナムなどでこのプラントの設置に関わった綾部市の建築業の男性のアドバイスのもと、村本さんとピースプロジェクトの仲間も加わり、4月に約10日かけて畑を掘り、長さ8.5メートル、幅1メートル、高さ1メートルのポリエチレン製の長細い筒状の発酵槽を設置。投入口は直接トイレにつなげた。  2立方メートルのガスを入れる貯留袋(ポリエチレン製)は台所の天井に取り付けた。バイオガス1立方メートルで4人家族の1日分の調理を賄うことができる。ガスバーナーは底を釘で穴を開けたコーヒーの空き缶をバーナー部に利用し、コンロ台も洗濯機の外枠の金属板を切り取り自作した。材料費は約1万円で日曜大工程度の簡単な作業ですむ。  8月17日に初めてガスに点火し、お湯を沸かしてお茶を飲み、いまもガスがある日は毎日利用。導入に関心をもつ人らも見学に訪れている。液肥は今後、貯まってから畑の菜園に使う。  村本さんは「初めてガスに火が灯った時は文明開化の感激を味わった。完成した『長谷1号』のプラントで試行を重ね、誰もが使いやすいようなものに改良し普及させたい。大きなエネルギー革命の予感がする」、妻のさゆりさんは「自分たちで育てたものを食べ排出したものがガスや液肥になり、その火で料理してまた食べるという究極のリサイクルの輪が出来上がりました」と話す。