趣味に生かされた母偲ぶ 白井淑子さんの遺作品 家族らが市場の「こもれび」で展示 車椅子生活を送る中 人形、布絵、絵手紙など創作【舞鶴】

趣味に生かされた母偲ぶ 白井淑子さんの遺作品 家族らが市場の「こもれび」で展示 車椅子生活を送る中 人形、布絵、絵手紙など創作【舞鶴】

投稿日時:2010年10月8日

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 今年3月に85歳で亡くなった田中町の白井淑子(しゅくこ)さんを偲ぼうと、遺作展「しゅくちゃんの宝箱」が、市場のぎゃらりー・喫茶「こもれび」で開かれている。白井さんの息子と娘たち家族が、46年間車椅子生活を送りながら前向きに創作意欲を持ち続けた母親が残した多くの和紙人形やちぎり絵、絵手紙、布絵などを展示した。10月30日には孫の雄一朗さん(29)がオリジナルの追悼曲を歌うソロライブを企画している。展示は同31日まで。  淑子さんは終戦直前の1945年4月、啓一さんと結婚し2児の母親となった。女学生時代に階段から落ちて、脊髄を損傷する大事故にあうが回復して復学。しかし64年に再発して、両下肢の機能障害で車椅子を利用するようになった。  そんな中でも、舞鶴歌人会に入って短歌を学び、自宅近くの農道へ電動車椅子で散歩に出かけ、田園風景を歌の題材にして詠んだり、随筆を書いたりした。ともに短歌を楽しみ74歳で亡くなった夫との共著で短歌と随筆をまとめた本も2冊、自費出版した。  このほかにもほぼ独学で和紙や粘土人形、絵手紙、布絵、リース、七宝焼など次々と趣味を広げて打ち込んだ。特に和紙人形は1,000点以上つくり、他の作品とともに多くを家族や友人らに贈っていた。  亡くなった後、長男の友二さん(61)=田中町=の妻、たみ枝さん(61)が、淑子さんが残した箱を開けると、たくさんの人形などが出てきた。家族で話し合い、多くの人に見てもらって母の供養にと遺作展を企画した。  木の心棒に綿を巻き和紙を折って着付けた人形は、駒子と呼ばれる着物姿の女性や花嫁、童子などが並ぶ。布絵の材料の布は、戦時中から使っていた座布団を大切にとっておいて作品に再生させた。最後までベッドの上でしていたのが絵手紙だった。短歌コンクールで入賞した歌「耀(かがよ)ふは桜にさくら車いすに冬を耐へきてわれもかがよふ」を書き込んだ絵手紙も展示した。このほか押し絵、書作品も飾った。  友二さんとたみ枝さん夫妻は「箱からたくさんの作品が出てきたときは圧巻でした。これは何とかしなければと思いました。母の人柄を感じてもらえれば」、長女の土本郁子さん(64)=倉谷=は「母は動く腕と手に感謝して趣味が生かしてくれたと言っていました。生前、母に作品展を開こうかと声を掛けたのですが迷惑をかけるからと遠慮していました。本当はしたかったのだと思います。きっと喜んでくれているでしょう」と話していた。  10月30日午後六時から、友二さんの長男で、アマチュアでバンド活動をする雄一朗さんが歌う。入場無料。展示は午前10時~午後6時。同15日から作品を入れ替える。水・木曜日は休み。会場は国道27号線青葉大橋下。
【問い合わせ】電話63・3088、同店。
写真左=母の作品を展示した友二さんとたみ枝さん夫妻、土本さん
写真右=故・白井淑子さん